雑筆39 不愉快なニュース⑨ 「ザイム真理教」講演会議事録

1/20に衆議院会館で「ガーベラの風」主催の講演会、森永卓郎氏の「ザイム真理教それは信者8000万人の巨大カルト」と植草修一氏の「直ちに可能な消費税5%利権財政から権利財政への転換」に参加してきました。その通りだと思うことばかりで、勉強になりました。議事録代わりにまとめています。走り書きのメモから書き起こしていますので、間違っているところもあると思います。詳しくは森永氏の著書「ザイム真理教」をお読みください。『ザイム真理教──それは信者8000万人の巨大カルト』は、5月末発売から2週間で、5刷り、3万1000部となり、半年で7万5千部まで売れ続けています。ベストセラーです。今週の「週刊ポスト」に「財務省をぶっ潰せ」の記事がありました。森永氏も寄稿しています。「週刊ポスト」はよく出版できたと感心しています。

・森永卓郎氏「ザイム真理教」:安倍政権の指揮に「異次元の金融緩和」で公共投資を行い、1年で2%のインフレ目標を達成して景気回復の兆しがあったが、2014年消費税を8%に増税して、デフレ経済に戻した。その間、1988年と2021年の実質賃金は、471万円と533万円。実質手取りは、384万円と398万円。40年たってもほとんど手取りが増えていない。こんな国は世界で日本だけ。そして国民の税負担率はどんどん増えている。「国民の税負担率は、1980年の30%、2022年は47.5%。江戸時代の年貢は、4公6民と言われているが、それが5公5民になったときは、江戸時代は一揆が起きた。今はそのレベル。

財務省は国民に嘘をつき続けている。財務省が増税を続けることへの説明は、およそ次の通りだ。「日本はいま世界最大水準の借金を抱えて首が回らなくなっている。この状態を放置すると、国債や円の暴落、あるいはハイパーインフレが訪れて、日本経済は破滅してしまう。さらに借金は、子の世代、孫の世代まで付け回され、彼らの未来を奪ってしまう。それを防ぐためには消費税を引き上げるなど、増税を続ける以外の道はない」というものだ。この財務省の主張は、カルト教団が信者から献金を集めるために使っている論理と同じだと考えている。「あなたには、悪霊がついていますよ。このままでは、孫子の代までたたられますよ。それを防ぐために、この100万円の壺を買いなさい」。

財務省が唱える「日本の財政は破たん状態」という現状認識がまったくの誤りなのだ。日本政府は、2020年度末で1661兆円の負債を抱えている。しかし、同時に資産を1121兆円抱えているので、ネットの債務は540兆円に過ぎない。ネットの債務はGDPの100%を下回っており、先進国ではごく普通の水準だ。しかも、日銀が保有する国債は、実質的に返済が不要なので、その分を除くと、日本の純債務はたった8兆円しか存在しない。日本は借金のない世界一健全な財政を実現しているのだ。日本国のバランスシートをみれば日本には借金も赤字もないところが財務省は、「借金で首が回らない」と言って、次々に国民に対して増税や社会保険料アップを押し付けている。しかも、国家公務員の賃金は民間平均よりも5割以上高い。民間の正社員と比較しても3割高い。天下り官僚は、高給に加えて、渡りと言われる、いくつもの天下りを渡り歩いて退職するたびに退職金が1000万円以上貰える。さらに専用車、秘書、個室、交際費、海外旅行の豪華5点セット付き。

元大蔵・財務省官僚の高橋洋一氏も「借金だけを見て騒いでいる。大事なのはグロスではなくネット、つまり負債の総額ではなく負債と資産の差し引き額だ。政府には豊富な金融資産がある。さらに政府の子会社である日銀の負債と資産を合体させれば、政府の負債は相殺されてしまう。したがって、増税の必要も歳出カットの必要もない。実に単純な話」「財務省官僚はバランスシートも読めない経済音痴」と同様の主張をしています。ちなみに財務省では高橋氏のことを「3度殺しても殺し足りない」と言っていると森永氏が発言していました。日本の財政は世界一安定している。「このままではハイパーインフレになる」と脅かして増税を進めていくのは「カルト教」と同じ手口ということです。財務省の教義は、「消費税25%」らしいです。カルトな官僚組織です。財務省は東大法学部閥です。日本の経営は無理です。そんなに優秀なら、東大法学部卒の企業の経営者が多いはずですが、ほとんど聞いたことがありません。高橋洋一氏は、東京大学理学部数学科卒業の財務省では異色のキャリアです。だから数字には強いです。

大手メディアは財務省とグル。コメンテーターの中では「財政について本当のことを言うのは止めよう」と言っているらしいです。財務省のことを批判すると番組を外される。私もテレビには呼ばれなくなった。メディアの中では「サンケイ」と「東京新聞」はまともの方だが、両社とも国税監査が入った。国税は「抵抗するなら重加算税を課す」と脅すらしいです。税務監査は、国税調査官の裁量でどうにでもなるようです。1件でも、支払いなどにおかしいところがあれば、全部の税務申請を否認することができるらしいです。ですからいくらでも税金をとれる仕組みになっています。森永氏の新しい本の出版を予定していた会社は、社長が「まだ会社を潰す割れにはいかない」と軒並み断ってきたそうです。「増税するしかないと発言すれば安全」と言っていましたが、「闘いながら死のう」と日本のために発言をしていく決意でした。税務調査や脱税容疑での拘置所への拘留まで覚悟しているようです。自由な発言は国民が憲法で保障されている権利です。明治時代の「自由民権運動」にさかのぼっても、政治への自由な発言は、民主主義の根幹だと思っています。もしそのような事態が起きれば、私は「日本の正義」は終わったと考えます。

植草修一氏「直ちに可能な消費税5%利権財政から権利財政への転換」: 植草氏も出版の準備をしているようで、講演はその内容の抜粋だと言っていました。詳細はそちらでご確認ください。一番インパクトがあった発言は「財務省は財務省のことしか考えていない。一番評価されるポイントは、天下り先の確保と増税」「財務省は天下り先の大企業と富裕層の一握りの金持ちと、あとは奴隷がいればいいと考えている」「庶民のことは一切考えていない」です。政府は安い労働力を求めて移民政策を進めているのでしょう。

私の知識では、資料が理解しきれないところもあります。日本は消費税を1987年に3%。1999年に5%、2014年に8%。2019年に10%にしました。一方、消費税の導入に合わせるようにして、1989年の法人税率は、資本金が1億円を超える普通法人で40%、軽減税率が適用される中小企業等では29%でした。その後の法人税改革により、2014年度は25.5%、2015年度は23.9%、2016年度は23.4%、そして現在は23.2%と、段階的に引き下げられています。1989年~2023年までの「消費税35年間累計額は、509兆円、所得税・住民税減収累計額、▲286兆円、法人3税減収累計額は▲319兆円です。消費税を上げるたびに法人税を下げています。消費税と法人税はトレードオフの関係になっています。消費税は法人税を下げるための原資として使われています。

2009/8の野田佳彦氏の街頭演説では、「消費税5%の税金に、天下り法人というシロアリがたかっているんです。白アリ退治をしないで消費税を上げるのですか。白アリ退治をして、天下り法人をなくして、天下りをなくすのです。」と発言しているようです。「財務省解体、歳入省の創設」をマニュフェストに挙げていましたが、何もできていないです。消費税増税の問題点として3点あげています。①確実に景気が悪くなる。消費税は2重課税。消費税は課税後の所得、可処分所得への課税。消費活動に対する罰則、消費懲罰税②増税の前提の白アリ退治が行われていない。財務省天下りの根絶は雲散霧消。日本取引所、政策投資銀行、国際協力銀行。③消費税の逆進性が格差をさらに拡大。所得税は「応能負担」による課税。消費税は所得の少ない層に過酷な税制。究極の格差拡大推進税制。

2022年の民間給与実績は、400万円以下が、51.2%、内200万円以下が20.5%です。来賓の、立命各大学教授の大田英明氏は、日本の所得が上がらない一番の原因は、「非正規雇用の増加」にあると発言していました。日本の2021年の資産の部は、非金融資産、811兆円、金融資産729兆円で期末資産合計は、1541兆円、負債の部は、借入145兆円、債務証券、1183兆円、負債合計は、1422兆円。119兆円の資産超過の黒字になっています。

資本主義の根本原理: ①市場原理の不可侵性。市場原理の帰結=弱肉強食。②私有財産制の神格化。富の集中・富の独占。「世界革命行動指針22」最終的には、我々の運動に尽くす少数の金持ち、および我々の利益を守る警察と兵士と、プロレタリアートの大衆(ゴイム)ガ残ればいい。

・断末魔の巨大資本(DS)ビジネスモデル: 21型の新資本主義。ネオコン+国際金融資本+コングロマリット。世界を一つにまとめる。世界の8人の富裕層が、貧困層の36億人に匹敵する資産を独占。①財政収奪。逆所得再配分。公的事業の収奪。②国際特殊詐欺。パンデミックスビジネス。国際機構ビジネス=SDGs。③戦争。軍産複合体の生命線。です。「ガーベラの風」が目指すは、戦争と弱肉強食の「自公政治」から、平和と共存の「政策連合」への転換のようです。

・来賓として、「れいわ新選組」衆議院議員の「たがや亮氏」と「くしぶち万理氏」が、議会が終了してから挨拶に駆けつけてくれました。国民のために自民党政権や財務省に対決する熱意を感じました。人の品格は顔に出ます。私には議員の多くは、私利私欲しか考えていない「下品な顔」に見えます。お二人には良い印象を持ちました。私の中では「れいわ新選組」の選択はなかったのですが、先日の「山本太郎氏」の岸田首相に対する質疑と合わせて「れいわ新選組」を見直しています。私は「誠の旗の新選組」は、結構好きなのですが、新選組が幕藩体制を維持する組織のイメージを感じるのが少し心配です。

[告知]私の仕事は研修講師です。メイン研修は「プロジェクターマネジメント」「マーケティング」「営業プロセス」「問題解決」などです。PBL(Project Based Learning)日本語では「問題解決型学習」「課題解決型学習」と訳される研修手法で実施しています。PBLの特徴は、「自らの問題について考える」「正解のない問題について考える」「受講者がお互いからも学び合う」ことです。事例は使いません。VUCA時代は、変動が激しく不確実な未来や、予測できないような複雑な問題、解決策が曖昧で正解が1つとは限らない状況など、目まぐるしくかたちを変える現代社会です。PBL はVUKA時代に対応している研修スタイルだと思っています。今回の「ガーベラの風の無料の講演会」に参加させていただき。思い付きなのですが、エッセィを読んでいただいている方で、もしも私の研修にご興味がある方がいらしたら、1回無料で体験してみませんか。5名×4チームの20名ぐらいまでの集合研修が適正人数です。東京以外は交通費と宿泊費のご負担はお願いします。HPからお気軽にご相談ください。AIの急速に進歩により、単純作業や定常業務は、益々パソコンやネットワークに置き換わります。しかし、マネージメントの仕事は、当面は人の仕事として残ります。私の研修は、基本的にはマネージメントでありPDCAです。https://10s.co.jp/contact/

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