雑筆34 不愉快なニュース⑥ 内閣支持率

今あなたの前には2つの薬があります。2つの薬にはそれぞれ以下の効果があります。

赤い錠剤・暗く辛い現実を直視しなければいけないが、実の世界を見ることができる。

青い錠剤・全てを忘れて嘘の世界を平和に生き続けることができる。

映画「マトリックス」の中の話です。あなたはどちらの錠剤を選びますか。自分のことで考えた時に、どちらの薬を飲むか迷います。苦労を承知で赤い薬を飲むのは勇気がいります。現実の世界は残酷です。自分のことだけを考えたら、現実を見ないようにして、青い薬を飲む選択もあります。でも、良い世界を作りたいと頑張ってくれたご先祖様のことを考えると、こんな世界を作るために命を懸けたのではないと感じます。自分の子孫のことを考えた時に、こんな「偽りの世界」で、誰かに都合よく利用され、コントロールされた世界で良いのかとも思います。

・2020年の「世界価値観調査(世界の異なる国の人々の社会文化的、道徳的、宗教的、政治的価値観を調査する、社会科学者によって行われている国際プロジェクト)」によれば、他の先進国が「新聞・雑誌・テレビを信頼できる」とした率は5割以下だったが、日本だけ7割近くと非常に高かった。統計データ分析家の本川裕氏は、「他国より事実に基づく客観的報道が多いと見ているのでしょう。しかしマスコミへの信頼度が高い人ほど幸福感が薄いという調査もある」と書いています。

・2023年の・国際NGO「国境なき記者団」(本部・パリ)による、「報道の自由度ランキング」を発表。 調査対象の180カ国・地域のうち日本は68位(昨年71位)で、昨年よりは順位を上げたものの、主要7カ国(G7)の中で依然、最下位だった。この原因は大企業の影響力がメディアに自己検閲を促す風潮だとされている。企業にとってプラスにならない情報の報道を、ジャーナリストやメディアが自主的に控えてしまうのだ。いっぽうでは公的な存在である政府からの圧力を感じるという声もある。「報道の自由」よりも「報道の不自由」に着目される結果になっている状況である。

・インターネットの発達により、庶民は「多面的な情報」に触れるようになり、従来の報道は「偏向的な報道」ではないかと思うようになりました。メディアの報道に対して、疑問を持つ人が増えてきました。俳優の伊東四朗氏は、「私は必ず新聞を2紙以上読むんです。だって同じテーマを扱っても右系と左系では書いていること(主張)は真逆なんですよ。」 と言っています。

ジャニーズ事務所問題は、報道の自己都合の典型的な例です。連日メディアは、まるで自分たちは「正義の味方」ように報道しています。古舘伊知郎氏は「同社とテレビ各局の関係性に関し、古舘アナは音楽番組で司会を務めていたころの記憶をもとに「忖度そのもの。各局にジャニーズ担当がいて、しっかりズブズブになっていく。銀座のクラブの請求書もジャニーズに送るとか、そういうことが日常的にあるくらいジャニーズは強かった」と勇気ある発言をしています。NHKの本部である渋谷の放送センターの西館に、“魔の7階リハ室”と呼ばれたジャニーズ専用の部屋が用意されていました。名啓雄メディア総局長は「特殊なことではない」と答えています。NHKの元大物理事の若泉久朗氏、同事務所の顧問になった。NHK会長の定例会見では、一部の記者から若泉氏がジャニーズ事務所からのハワイ旅行接待を受けていた疑惑などの質問が出ましたが、NHK側は回答を拒否。調査を行う考えも無いとコメントしています。どこが「公共放送」なのでしょうか。NHKは公共放送事業体(特殊法人)です。なぜ、特殊法人が、国民から強制的に「受信料」を徴収できるのか疑問です。公共放送なら、国営にして高給の従業員は、公務員にすべきとの声は以前からあります。他にも美容クリニックを経営する高須医師は、テレビ番組のスポンサーもしているため、テレビ局や芸能事務所と繋がりがあります。接待の誘いを受けたが「きっぱり断った」と書いています。高須氏は立派な人ですが、ズブズブの接待を受けていた人も多いはずです。

・内閣支持率 : メディアに対する「信頼」が失墜している中、マスコミの「世論調査」をどれだけ人が信じているのか疑問です。時事通信が10月6~9日におこなった世論調査では、内閣支持率が過去最低を更新する26.3%でした。10月16日、各マスコミの世論調査結果が公表され、FNNの調査では、内閣支持率は、政権発足以来過去最低の35.6%。「支持しない」は59.6%。読売新聞社は、内閣支持率が34%。不支持率は49%。毎日新聞は内閣支持率を25%、不支持率も前回調査と同じ68%でした。共同通信社は、内閣支持率は32.3%。不支持率も52.5%(前回39.7%)でした。ちなみに、インターネットでは、支持しないが。94%を超えています。

「エッフェル姉さん」の発言を見ていると、フランス革命の「マリー・アントワネット」を思い出します。フランス革命とは、18世紀後半(1789年〜1799年)にフランスで起きた市民革命運動のことです。16世紀から18世紀にかけて、ヨーロッパ諸国は国王が統治する絶対王政が敷かれていました。王族や聖職者、貴族と、市民階級という身分差を前提としています。この政治形態は、不公平さに怒れる市民が起こしたフランス革命によって倒されます。国王を頂点とし、第一身分(聖職者)、第二身分(貴族)、第三身分(市民)からなるこうした封建的身分制度を、アンシャン=レジーム(旧体制)と呼びます。アンシャン=レジームにおいては、第一身分(聖職者)と第二身分(貴族)が特権階級とされ、免税特権を持っていました。自分たちの納めた税金が特権階級の生活に使われることに、第三身分(市民)の不満が高まっていったのです。また、1775年~1783年にかけて、アメリカの13の植民地は、イギリスの支配に対抗しアメリカ独立戦争を起こしました。イギリスを宿敵とするフランスは、アメリカを経済的、軍事的に支援します。しかしこのことは、フランス財政の悪化を招きます。さらに豪華な宮廷の生活による負債などで、国民は重税により貧困に苦しんでいます。それらが原因となり、フランス革命がおこり、「祖国と革命に対する裏切り」という理由で、1793年1月にルイ16世が処刑されます。1793年10月には、王妃マリー・アントワネットが処刑されました。マリー・アントワネットは、経済的に衰退の一途をたどっていたフランスで、贅沢な暮らしや外国の貴族との浮気など、評判は最悪でした。飢餓と重税に苦しむ国民の貧しさを理解していないエピソードとして、パリの農民がパンを買えないほど貧しいというニュースを聞き、「パンがないならお菓子を食べればいいじゃない」と言ったと伝わっています。この発言がフランス革命のきっかけになったとは思いませんが、当時の貴族の象徴的なエピソードです。特権階級を、官僚と政治家と考えれば、今の時代にも当てはまります。

今週は関西方面に出張していました。駅から、研修施設まで少し距離があるため、タクシーを使います。タクシーの運転手さんは、世の中の景気などに敏感なため会話をすることが楽しみです。今回、行きと帰りの運転手さんは、同じようなことを言っていました。政治家や官僚にとって、庶民は所詮「家畜」、「鶏」だと。世間はそんな風に感じています。

・2023/10/11のニュースに「高市早苗経済安保相、岸田総理の不安に「ショック」「日本の水産関係者を守りたい一心だったのですが」がありました。 高市さんは「IAEA総会で中国代表が『核汚染水』と日本を批判したので反論したのですが、岸田総理が『中国を再び刺激しないか』と周囲に不安を漏らしておられたとの記事」にショックを受けたという記事がありました。「私は日本の水産関係者を守りたい一心だったのですが、結果的に国益を損ねたという事なのか…」と胸の内を吐露した。岸田氏は、「総理になりたかっただけ」の人です。元々、何の理念も志もない人ですから、こんな発言をするのでしょう。世界標準の考え方では、「反論しないことは、認めていること」と同じです。我慢して、「政府や官僚のすること」に対して、黙っていることは、認めていることと同じです。

私は「ロジカルシンキング」の研修講師を務めることもあります。「ロジカルシンキング」の色々な考え方や、ツールについて講義します。本音を言うと、それらはツールです。それを学んだからと言って、「ロジカルシンキング」の考え方ができるとは思っていません。「ロジカルシンキング」の基本的な考え方は、英語の2文字で表すことができます。それは「Why」「Think」です。「なぜ、そうなのか疑問を持つ」と「その疑問に関して、自分で調べて考える」です。知識だけ詰め込んでも、この考え方ができない人には「ロジカルシンキング」は難しいと思っています。ユダヤ人は人口比率に対して「ノーベル賞の授賞者」が圧倒的に高い優秀な民族だと言われています。以前、何かの本を読んだ時に、「Why」と「Think」は、ユダヤ人には口癖になるぐらいに標準的な考え方だと読んだ記憶があります。日本人は「性善説」で考える民族だと言われています。疑うことになれていません。学校教育で、「記憶するトレーニングは受けていますが、考えるトレーニングは不足しています」。余談ですが、私の会社のHPから、登録なし無料で、過去に書籍化した「プロジェクトマネジメント」や「営業プロセス」や「ロジカルシンキング」などの研修内容のPDFがDLできます。ご興味あればご覧ください。

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