雑筆27 「怒り」について ①

先日、東劇で「玉三郎さんの鼓童」の映画を見ました。玉三郎さん+能+和太鼓が合わさった内容です。歌舞伎の玉三郎さんが見たい人には少しイメージが違うかもしれませんが、和太鼓を「芸術レベル」にまで高めている素晴らしい舞台でした。私は、せっかく生まれてきたのだから、「美しいもの、感動するもの」に触れたいと思っています。本も映画も舞台もコンサートも美術展も好きです。逆に「醜いもの、嫌悪を感じるもの」には関わりたくありません。私の中では、その代表格が、政治家です。だからと言ってそうしたものを見ないふりをするのは、ご先祖様と子孫に対して申し訳ないと最近は思うようになりました。一般的に「怒り」は、ネガティブで悪いイメージがありますが、しかし場合によって「怒り」は、必ずしもは悪いものではありません。

「怒り」をウィキペディアで調べると「怒りは、人間の原初的な感情の一つで、様々な要因・理由で起きるものである。例えば、「危険にさらされた」という意識・認識に起因している、と説明できることは多い。「危険にさらされた」というのは、身体的なこと、有形なことがらに限らず、自尊心や名誉などの無形のことがらまで含まれる。」と書いてあります。言葉の概念は言語によって様々です。英語が理論的な言語であるのに対して、日本語は情緒的な言語であると言われています。また日本には「察する」文化があると言われています。その一例として、日本語には「色彩」を表す言葉が多い半面。感情の表現は「喜怒哀楽」などシンプルです。一方英語は感情の表現が豊かだと聞いたことがあります。「Angry(怒り)」の表現と、「怒り」のメリットについてChatGPに聞いてみました。

英語でも「angry」が怒りを表す基本的な言葉ですが、確かに怒りにもさまざまな種類があり、それに対応するさまざまな言葉が存在します。以下にいくつかの代表的な怒りの種類とそれに対応する英語の言葉を挙げてみます:

①    Irritated: 英語では「irritated」は軽い怒りやいらだちを表します。些細なことが原因で気分を害したり、不快感を感じたりする状態です。

②    Frustrated: 「Frustrated」は、目標や望みが達成されないことに対して感じる怒りやもどかしさを指します。自分の努力が報われない状況で感じる感情です。

③    Annoyed: 「Annoyed」は、ある状況や人の行動に対して軽い不快感や腹立たしさを感じる状態を表します。怒りよりも軽いニュアンスです。

④    Enraged: 「Enraged」は、非常に激しい怒りや激情を表す言葉です。この状態では、個人は感情を抑えることが難しく、極端な反応を示す可能性があります。

⑤    Furious: 「Furious」も非常に強い怒りを示す言葉で、激しい感情の爆発や制御が難しい状態を表します。

⑥    Indignant: 「Indignant」は、不公平や不正に対する怒りを指します。正義感や道徳的な価値観に基づいて生じる怒りの一種です。

これらは怒りのさまざまなニュアンスを表現する英語の言葉の一部です。感情の微妙な違いを正確に表現するためには、適切な言葉を選ぶことが重要です。社会の不正義や不公平に対する怒りは、英語では「indignant」になることがあります。この言葉は、個人が道徳的な価値観や公正さに基づいて、他人の行動や社会の状況に対して強い不満や怒りを感じる状態を表現します。社会の不正や不公平に対して憤りや義憤を感じる場合、自分自身や他人に対する怒りとは異なるニュアンスを持つ言葉として「indignant」が使われることがあります。

 

怒りには一時的な状況への適応という面から見ると、いくつかのメリットが存在することがあります。以下にその一部を挙げてみましょう:

①    エネルギー供給の増加: 怒りの感情によって、アドレナリンやノルアドレナリンなどのストレスホルモンが分泌され、体内のエネルギー供給が増加します。これにより、一時的にパフォーマンスが向上し、物理的な活動や反応が迅速に行えるようになります。

②    注意力と集中力の向上: 怒りの感情は、注意を向ける能力や集中力を高めることがあります。これは、興奮状態にあるため、重要な情報や刺激に対して敏感に反応することができるためです。

③    自己主張と防御の機会: 怒りは、不平や不満を表明し、自己主張を行うための感情として機能することがあります。これによって、自分の意見や感情を他人に伝えることができ、自己価値感を維持することができます。また、脅威や攻撃に対しても防御の機会を提供する役割を果たすことがあります。

④    行動への動機づけ: 怒りの感情は、不満や不正を感じた際に行動を起こす動機づけとなることがあります。このような感情が行動を引き起こすことで、状況の改善や問題の解決が促進される可能性があります。

ただし、これらのメリットは一時的なものであり、長期的な観点からは怒りが持つリスクや悪影響も存在します。過剰な怒りや怒りのコントロールが難しい場合、身体的・精神的な健康に悪影響を及ぼす可能性があります。怒りを適切に管理し、建設的な方法で表現することが重要です。

怒りは、適切に処理される場合には、自己成長や社会的な変革に寄与する可能性があります。以下に、怒りがポジティブな影響を持つ場合のいくつかの側面を示します:

①    自己成長への動機付け: 怒りは自分自身や自分の価値観に対する保護反応として現れることがあります。この怒りを受け入れ、その背後にある要因を探求することで、自己成長や内省の機会に繋がることがあります。怒りが自分自身の弱点や課題を見つめ直す契機となることもあります。

②    社会的変革の原動力: 怒りは社会的な不正義や不平等に対する感情として現れることもあります。この怒りを行動に変え、社会を改善しようとする動機となることがあります。個人や集団が怒りを共有し、声を上げて問題に取り組むことで、社会的な変化が起きる可能性があります。

③    自己主張と境界の確立: 怒りは自己主張や個人の境界を示す手段として機能することがあります。怒りを適切に表現することで、他人とのコミュニケーションが改善され、自分の意見や感情を尊重される機会が増えるかもしれません。

④    問題解決と創造性: 怒りが問題に対する意識を高め、解決策を見つけようとする刺激になることがあります。怒りを動機に、新たなアイデアや創造的なアプローチを模索することができます。

ただし、怒りが適切に処理されない場合や暴力的な形で表れる場合は、そのポジティブな側面が阻害される可能性があります。怒りを健全にコントロールし、建設的に活用するためには、感情の管理やコピング戦略(Coping Strategies、ストレスや難しい感情、困難な状況に対処するための方法やアプローチのこと)を学ぶことが重要です。

独立して成功したいと思い「成功法則」に関する書籍を何冊も読みました。全てに「リアルな夢や目標」を持つことの重要性が書かれています。その通りだと思いますが、「自分を成長させたい」「世の中の役に立ちたい」と言う、利他のきれいな気持ちの奥深くにある原動力は、「自分への怒りや社会への怒り」があるような気がしています。例えば、事業を成功させたいという気持ちの奥深くには、「貧しかった境遇への怒り」や社会をよくしたいと活動する思いの奥深くには、自分が受けた、社会からの理不尽な差別への怒りがある可能性もあります。そうした場合の「怒り」は、行動のエネルギーになります。「自分の未熟さや愚かさ」に対する自分自身への怒りは、成長の原動力になります。「社会の不正義に対する怒り」なら社会を良くしたいと思う原動力になります。いずれも「健全な精神」だと思います。ネットで「誹謗中傷」の記事が頻繁に載っています。「自分自身や社会」に対して「不満」や「怒り」があるのだと思います。「怒り」はエネルギーが必要です。私は「怒り」について書くだけでも、「疲れ」を感じます。頻繁に「誹謗中傷」をする人は、もの凄くエネルギーを持っています。そのエネルギーを違った方向に使いってくれれば、社会に対して有益な力になります。

コロナ禍前には、たまに友人たちと深川不動尊で護摩祈祷を見た後になじみの居酒屋さんに行っていました。御本尊は不動明王です。真っ赤な全身の怒りの表情の神様です。不動明王は密教における本尊、大日如来の化身とされています。不動明王は五代明王の中心的存在です。右手に持つ剣は、魔を破り退散させ煩悩や悪因縁を断ち切り、左手に持つ羂索(けんじゃく)は、悪人・悪鬼・悪病を 縛り上げ、また煩悩や悪業から抜け出せない人々を 縛り絡め取り、善に立ち戻らせます。また激しい火炎により、悪業・煩悩・悪因縁を焼き尽くし 浄化するとされます。見開いた右目と細く閉じた左目は「天地眼(てんちがん)」と称し、左道(まちがった教え)を観ず真実を観る目とされ、上下した牙は上に悟りを求め、下には人々を導く事を表します。人々の煩悩の重さを表した磐石に座りおさえつけ、束ねた髪が頭の上から左の肩に垂れ下がるのは不動明王の慈悲が私たち一人一人にはたらいていることを表しています。私は、今一番必要とされている神様の気がします。たまたまヤフオクで不動明王様の古い掛け軸を見つけて、怒りを忘れないように送料込みの2000円で買いました。不動明王様は社会の不正義と不条理への怒りの御姿だと思っています。壁に貼ります。

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