雑筆 30 致知創刊45周年パーティーに参加して

2023年9月16日に「致知創刊45周年 記念講演会&パーティー」に参加してきました。雑誌「到知」と言っても、知らない人も結構いると思います。定期購読のみの雑誌ですが、購読者数は、現在11万7000名です。「人間学を学ぶ」を目的としている雑誌です。日本をよくしたいとの「志」がある雑誌です。最初の出版数は、3000部ぐらいでした。初版の時には「こんな固い内容の雑誌を誰が読むんだ」と言われたそうです。今では経営者が最も読んでいる雑誌だと言われています。私は、独立した時に、経営者の方から薦められて読むようになりました。もう12年以上になります。特に出張時の新幹線での愛読書です。

会場には、1650人とWebでの200名が参加していました。今回の講演者と講演内容は、「臨済宗円覚寺派管長 横田南嶺氏、修行時代の話」と「2015年ノーベル生理学・医学賞受賞、北里大学特別栄誉教授 大村智氏、私の半生」と「致知出版社社長 藤尾秀昭氏」でした。3名とも素晴らしいスピーチでした。横田氏は、「厳しく指導されると、受ける立場で考えてしまうが、指導する立場にも思いがある」と「成功するためには、夢と祈りと実行が必要」と述べていました。大村氏は88歳になられています。1時間半のスピーチで、記憶も言葉もハッキリしていることに驚きました。若い時から、常に向上心を持ち続け、学び続けてきたようです。だからなのでしょうか。うらやましいです。藤尾氏は「良縁は良縁を招き、悪縁は悪縁を招く。良き縁を招くためには、よき人、良き教育、よき言葉に触れることが大切」と言っていました。

第二部はパーティーがあります。お祝いのスピーチをされた方のお歴々が超豪華でした。「SBIホールディングス会長 北尾吉孝氏」「JFEホールディングス名誉顧問 數土 文夫氏」「文学博士 鈴木秀子氏」それとサプライズ的に「元WBC監督 栗山英樹氏」「元SB監督の工藤公也氏」などが祝辞をされました。ビデオメッセージではSBホークス会長 王貞治氏が、「致知と出会って20年がたちました。」と述べていました。他にも、慶応大学野球部監督 堀井哲也氏が、「致知を使った部内勉強会(木鶏会)を2020年から始めた」と、それを見て、慶応大学野球部監督 森林貴彦氏は、「高校野球部でも2021年より木鶏会を始めました。それが優勝にもつながった」のメッセージが送られてきました。「木鶏会」とは「致知」を読んだ感想や自分の考えを仲間達と発表する勉強会です。多くの企業でも実施されています。ご多忙な方ばかりなのに、一出版社の創刊記念パーティーにこれだけのメンバーが参加されるのは驚きです。

2部の立食パーティーで、周りで飲んでいる方にご挨拶をさせていただきました。「石垣島」「岡山県」「岐阜県」「長野県」からも来られていました。私は多くの人が集まる場所では「気」を感じます。致知の会場の「気」は、澄んでいる感じがします。心が浄化されます。勉強で「投資セミナー」に参加したこともあります。その時の「気」は、どろどろしたものを感じました。私には合わなかったです。滅入ったときには、お茶の水にある「ニコライ堂」で30分ぐらい座っていると(300円で)、心がデトックスされます。

「致知創刊40周年 記念講演会」にも参加しています。その時の講演者は「トヨタ自動車相談役 張 富士夫氏」と「京都大学iPS細胞研究所所長 山中伸弥氏」でした。張氏の「私が社長の時に、同じ年の作業員の人もいました。立場の差は、能力の差と言うより、たまたまの差です」。山中氏は、ご自身の経験を振り返り「人生は塞翁が馬です。」のスピーチは記憶に残っています。他の致知講演会で、コロナ前でしたが、今年100歳の茶道裏千家前家元15代千玄室大宗匠のお話は、特に記憶に残っています。立ったまま、若いころのことから今に至るまで、ハッキリした記憶でお話しされていました。戦争で特攻する直前に終戦になりました。仲間が特攻で亡くなり、自分が生き残ったことに心の傷が残っているようです。日本の将来と若者のことを心配していました。オーラが半端なかったです。たまたま、通路側に座っていた私のそばを通って退場されたときに、和服から、かすかに上品な「お香」の香りがしました。「粋」です。久しぶりにお話が聞きたくなり、検索するとYouTubeに色々とありました。「【100歳の元特攻隊員】裏千家15代家元・千玄室さん 茶人が伝える“平和への思い”終戦から78年」などを見ました。良い時代です。

私の仕事は研修講師ですので、「幹部社員研修」を担当させていただく時に「致知」の話をすることもあります。受講生から「私の会社は『致知』を定期購読している。」や「木鶏会を開催している」ことを教えていただくこともあります。私の印象ですが、そうした会社は、従業員もお客様も大切にしてくれる会社です。業績も伸びています。国会議員による「木鶏会」もあるようです。70名ぐらいの会員がいるようです。『木鶏会』に参加しても、何の利権にもつながらないと思います。だれが参加しているか分かりませんが、「日本を良くしたい」と思っている議員の集まりなら、利権まみれの議員よりははるかにましです。信頼できる気がします。難しいでしょうけれど、政党になって欲しいです。

余談1.友人に勧められて、映画「グランツーリスモ」を見てきました。私は、ゲームも車もレースも興味はありませんが、それでも十分面白かったです。それらが好きな人には、たまらないと思います。ソニーや日産や東京がでてくるのは日本人としては嬉しいです。「トップガン」のように、迫力ある映像ですので、スクリーンの方が楽しいと思います。ストーリーは、実話に基づいた、ゲームオタクがプロレーサーになっていく話です。私は小心者で怖がりですからホラー映画は無理ですが、こうした人の成長とハッピーエンドの話は好きです。

余談2.マスコミが「公平・中立」だとは思えません。力のある組織に忖度して、「伝えたいことを、伝えたいように伝える」だけの機関だと思っています。それでも最近のジャニーズ問題の「手のひら返し」は露骨です。犯罪だとしたら、加害者はジャニー氏、被害者はタレント、マスコミは共犯者ではないでしょうか。芸能界にもアイドルにも詳しくありませんが、当時「北公次氏」の告白は、一部ニュースになっていました。2002年の東京高裁判決で、ジャニー喜多川氏による未成年の少年たちへの性加害が認定されているようです。ジャニー氏が亡くなった時には、テレビでは大々的に「特番」が流されていました。ネットに「京大教授が激怒。ジャニーズ事務死をたたく資格などない性加害問題の主犯格」の記事が載っていました。その通りだと思います。企業のジャニーズのタレントをCMに起用するのは、企業のイメージアップが目的ですから、逆効果になる恐れがあるなら、二の足を踏むのは理解できます。私も普段買っている商品の会社幹部が不祥事を起こしたら、買いません。マスコミは大事なことから大衆の目をそらすために、「芸能スキャンダル」を利用するとの噂を聞いたことがあります。ニュースにあれだけの時間をかけるのならば、「芸能スキャンダル」より重要なことは、世の中にはたくさんあります。

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