ロジカルシンキングの原理原則 23 ロジカルシンキングの注意点8 ゼロベース ビックワード

・ゼロベース思考に注意 : ゼロベースは、英語の「zero」「base」を組み合わせた言葉です。一般的には、「ゼロベース思考」というかたちで使われます。既にある枠組みに囚われずに、目的に向かってまっさらの状態(ゼロ)から問題を分析し、解決策を考える思考法です。「枠組み」とはルール、習慣、経緯、事例、実績、経験則です。「ゼロベース思考」はロジカルシンキングでは必ず説明されていますが、固定概念をリセットすることは難しいです。1つの方法としては、「出来ない」「無理」の思いこみを外し、「どうしたら出来るか」を考えることです。多くの人が、人は空を飛べないと思っていた時に、どうしたら飛べるか考えていた人たちが、飛行機を作りました。多くの人が人は宇宙には行けないと思っていた時に、どうしたら月に行けるか考えていた人たちが、宇宙船を作りました。社会を変えることができる人は、そうした考え方ができる人たちです。

・ビックワードに注意 : ビッグワード(Big Word )とは、検索エンジンで多く検索される人気度の高いキーワードのことを言います。一般的には「曖昧言葉」を意味します。抽象度の高い言葉。具体的でなく、様々な解釈を生んでしまうような言葉です。聞いた人は、なんとなく理解しているつもりになり「思考停止」になりやすい言葉です。現代では非常に多用されています。主に4種類に分けられます。1つ目は「カタカナ語」です。例えば、「ニューノーマル、カーボンニュートラル、サスティナビリティ、ジョブディスクリプション、コンプライアンス、アカウンタビリティ」などです。日々新しいカタカナ語がメディアにでてきます。チャンと理解しているか不安になります。2つ目は「お役所言葉」です。例えば「善処する、検討する、努力する、前向きに、適宜、記憶にない、前例は、安心安全」などです。具体的な根拠の説明も具体的な活動もほとんどされません。国民を見下していると感じます。憲法の主権在民を理解しているとは思えません。ビジネスではこのような発言は許されません。最近は「撤回する」「謝罪する」の言葉も多用されています。昔は子供達でも「謝って済むなら、警察はいらない」と言っていましたが、今では聞くことが亡くなりました。大人が謝って済ましています。そもそも謝罪すらしていません。3つ目は「略語」です。例えば「DX、SDGs、CARS、NPO、NGO、サブスク、オワコン、サムネ」などがあります。英語の略語は近年ますます増加しています。EXとUXの略語を雑誌で見ました。EXはexample(エグザンプル・例)の略語かと思いましたが、「エネルギー・トランスフォーメーション(Energy Transformation)「エネルギー変換」の略語でした。UXは(User Experience)「顧客体験」の略です。知らないと何のことかわかりません。4つ目は「常套句(じょうとうく)」です。「常套句」とは、同じような場合にいつも決まって用いられる語句、きまり文句のことです。通常の会話だけでなく、ビジネスの場でもよく使用される言葉です。例えば、議論している時に「一般的には、通常では、戦略的には、失敗の可能性がある、リスクを考慮する必要がある」などです。どのように一般的なのか、どんな戦略なのか、どれぐらい失敗の可能性があるのか、どんなリスクなのか、具体的な説明をされることはまずありません。どういう意味か質問したいと思うときもありますが、話している人も多分そこまで考えていない気がします。曖昧言葉ではないですが「はやり言葉、流行語」は会話ではよく耳にします。近頃よく耳にする言葉は「キュンです」があります。ロジカルな会話には、これらの「ビッグワード」は、出来るだけ使用しないことが望ましいです。

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