ロジカルシンキングの原理原則 22 ロジカルシンキングの注意点7 データ

・データ(数値)に注意 : 人はデータや何%などと数値で説明されると、なんとなく信頼性があるように感じてしまいます。しかし、前提となるデータや数値に根拠があるのか考える必要があります。僕がデータで気を付けたほうが良いと思う点が4点あります。1点目は、どのような調査や分析で算出されたデータかです。例えばマスコミで「世論調査では~~の支持率は○○%です」のようなニュースが流れます。調査機関によって数値が違います。調査のN数や質問内容や対象者によっても回答結果は変わります。そうした内容まで説明されることはまずありません。そもそも世論調査は一種の都市伝説と思っています。僕は半世紀以上生きていますが、僕含めて周りの人が一度でも世論調査のアンケートに遭遇したことはありません。ワイドショーでは街頭インタビーが流されますが、すべてのインタビューが放送されるわけではありません。一部のインタビューを編集者の望む意図で編集しています。インタビューを見て多数意見と信じるのは信ぴょう性に欠けます。一種の印象操作があるように見えます。2点目は算出される数値の基準が変わることが有ります。とうぜん同じ事柄に対するデータでも数値が変わります。例えば、高血圧症の基準値は、前は上が180mmHgでした。2008年に基準値が130mmHgになりました。高齢者の基準は、日本では2017年1月に定義を見直して65歳以上が高齢者としました。基準の変更で算出されたデータは、当然前のデータと数値は変わります。3点目は、データを算出する前提の変更です。例えば、東京の気温を観測する場所が、2014年に気象庁の移転に伴い、大手町の構内から北の丸公園に移転されました。ビル街から公園への移転により、観測された気温が変化する可能性があります。他には、日本の人口ですが、2021年1月の日本の総人口は、約1億2665万人です。これは日本に住んでいる外国人の人数を含めています。日本人は1億2384万2701人で、外国人は281万1543人です。日本国籍を持つ日本人の総人口と、日本に住んでいる人数の日本の総人口は別のデータです。前は日本人の総人口の表現が多かったですが、近年は日本の総人口の表現が増えた気がします。極端な話、日本人が0人で、外国人が1億人でも、日本の総人口は1億人になります。その状態でも本当に日本国だと言えるのか疑問です。4点目は、マスコミで取り上げられたデータによって注目度が変わります。ネットが発展している現代社会でも、まだマスコミには情報発信力があります。人は情報の露出の多いものを重要視します。マスコミが取り上げたテーマには注目が集まります。同じような内容でも取り上げられないテーマには社会の注目度が下がります。例えば「人の命は尊い」という前提に異論はないと思います。しかし同じ前提でもメディアの取扱う情報量によって人の注目度が変わります。例えば、2020年の日本の自殺者は、21,081人です。1日50人以上が自ら命を絶っています。9歳までが777人10~19歳が2,521人です。病気や高齢でやむを得ない死ではなく、健康な人たちの死です。ボランティアの人達や支援団体は頑張っていますが、もっと社会全体でサポートをしていけば減らせる数だと思っています。2020年の日本の肺炎による死者は、10万人を超えていますが、マスコミで取り上げられることはほとんどありません。どこにフォーカスが与えられているかによって、人々の受ける印象が変わりますし、社会の注目度も変わります。ちなみに僕は「肺炎のワクチン」と「帯状疱疹のワクチン」は、仕事への影響を考え自腹で接種しています。

カテゴリー: エッセイ   この記事のURL