BtoBセールスの原理原則13 「C.調査活動 (Survey)」-「C2.課題の把握」

「C.調査活動」は、お客様に提案するために、まずはお客様の関心事や課題を理解します。そしてお客様から提案することの合意を得るフェーズです。
レベル1の「C.調査活動」の下位のレベル2は「C1.お客様の関心事」と「C2. 課題の把握」と「C3.提案の判断」の3つに分けました。「C2 課題の把握」の下位のレベル3は、「C2.1 QCD質問話法」と「C2.2 SPIN話法」と「C1.3 時系列質問話法」の3つに分けました。
問題とは「過去に想定した現在のありたい姿と現在の状況とのギャップ。課題とは、「現在から想定した、将来のありたい姿と予想される状況とのギャップ」を意味しています。問題は問題解決を考え、課題は課題達成を考えます。

・QCD質問話法 : 信頼関係が構築されていないうちに、詳細な質問をしてもお客様は答えてくれません。質問しても答えていただける関係になったときに、具体的に確認したいことを整理して質問します。信頼関係がないうちに質問しても、反射的に「分かりません」「別に何も問題はありません」という返事になってしまいます。信頼関係ができてから質問する時に質問をQCDで整理して質問する方法です。顧客の課題などの仮説が立てられない場合、もしくは具体的な状況を聞きたい場合は、QCDの品質、価格、納期などで整理して質問します。お客様に漠然と質問をするのは、質問される顧客にとっても、意図が理解できずに、何を答えればよいのか混乱します。そのような質問は営業パーソンが何について知りたいか、考えがまとまっていないせいです。質問項目を整理してから、尋ねることは、双方の時間の節減にもなります。直接的に~~についてQCDをお教えください」からスタートしても良いと思います。QCD(品質・費用・納期)に分類した質問例です。①Q (品質) :「現状の性能や品質に満足していますか? 」「アフターサービスには満足していますか?」「今後ほしい商品や機能はなんですか?」「機械の調子はいかがでしょうか」②C (費用) :「現状の費用はいくらかかっていますか?」「費用は高いと感じていますか?」「予算は申請していますか?」「予算はおありですか?」「必要であれば追加で予算は都合がつきますか?」③D (期間) : 「導入は検討されていますか?」「検討時期はいつぐらいですか?」「導入時期はいつぐらいのご予定ですか?」などです。そこから、④将来構想 :「将来的になにかお考えでしょうかでしょうか?」⑤要望点 : 「なにかご希望はございますか?」「どのようになればよいとお考えですか?」などの質問をします。意図をもった質問ができるように考えておきます。

・SPIN話法 : SPINとは、Situation Questions(状況質問)、 Problem Questions (問題質問)、Implication Questions(示唆質問)、 Need-payoff Questions(解決質問)の頭文字です。これら4種類の質問を、段階を踏んでクライアントに投げかけます。BtoB営業の営業話法としてよく知られています。①状況質問:状況質問は、顧客の立場や現状を把握するための質問です。②問題質問:問題質問は、顧客が実際どんなことに困っているのか掘り出していくための質問です。③示唆質問:示唆質問は、放置しておくと悪影響がありそうだといった自覚を促していく段階です。問題の重要性を認識してもらう質問です。④解決質問:解決質問は、課題解決に対して積極的な姿勢を表明する段階です。理想の状態をイメージしてもらう質問です。①状況質問は、相手の現状を的確に把握するための質問です。例えば「○○はどのような状況ですか?」「現在は××のようではありませんか?」などと質問します。②問題質問は、どのような不満や問題を抱えているかを聞き出す質問です。例えば「何か困っていることはありませんか?」「○○のようなことでお困りではありませんか?」などなどと質問します。③示唆質問は、なぜ深刻な問題になるのかを質問します。例えば「その影響で何か問題が起きていませんか?」「○○のせいで××になっていませんか?」などなどと質問します。④解決質問は、どのようになりたいかを顧客に話してもらう質問です。例えば「どのようになればよいとお考えですか?」「○○のようになればどのようにお思いですか?」などのように質問します。

・時系列質問話法 : SPIN話法に似ていますが、現在過去未来の時系列を意識した質問話法です。コンサルタントの世界では、よく使われている質問話法です。①現在(True) : 現在の状況の質問。②過去(Why):現在の状況になった理由の質問。③未来(So What):将来どのようになりそうか予測の質問。④ありたい姿/理想の状態の質問(What For):どのような状況になりたいのかの質問。⑤目標(What To Do):どのようなことをしたいと考えているかの質問です。質問例としては、①現在「現状を詳しくお聞かせください。」②過去「そうなった経緯をお教えください。」③未来「将来はどのようになりそうですか?」。④ありたい姿「どのようになれば嬉しいですか?」⑤目標「どのようなことを計画していますか?」のような質問の流れになります。
いずれの質問も、お客様が現状をどのように認識しており、どのような課題を感じているか、それに対しての何か解決の手段を考えているかを質問して確認するためのものです。

営業とお客様との会話の比率は、営業が3割、お客様が7割と言われています。データでもこの比率の正しさは実証されています。しかし営業パーソンが黙っていたら、お客様がすすんで7割話してくれるわけではありません。お客様が話しやすいような質問をすることが必要です。質問の質と営業の質は、密接に関係しています。「C2 課題の抽出」では、代表的な質問話法を3つ取り上げました。状況に応じて使い分けて、自分が一番話しやすい質問をすれば良いと思います。
質問の種類には大きく分けて、拡大質問(オープン・クエッション)と限定質問(クローズド・クエッション)の2種類があります。①拡大質問(オープン・クエッション)は、具体的な内容などを言語情報で得たいときや状況の課題などをお客様の言葉でしゃべってもらうときに使用します。②限定質問(クローズド・クエッション)は、Yes Noの回答を求めるときや質問内容を限定的な内容で確認するときに使用します。例えは「今日のお昼は何を食べる?」は拡大質問で、「お昼は、ラーメンとかつ丼とどっちにする?」は限定質問です。
上手な質問の仕方は、①聞く内容は1問に対して1つ。②質問はクローズド・クエッションから始める。③簡単にYesを言える質問を何回か続ける。④詳細な内容を聞くオープンクエスチョンに切り替える。⑤その答えに対して、疑問点はさらに質問をする。⑥「他になにかありますは?」と追加で聞いてみる。⑦短い質問文にする。⑧否定的な表現は避ける。になります。

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