雑筆17 AIの懸念への私見 ②

今ではインターネットのない世界が成立しないように、これからはAIのない世界は存在しません。ソフトバンクの孫会長は「インターネットができてから、20年で社会は大きく変わった。AIで今後の20年で社会はもっと大きく変わる」と発言していました。たぶんもっとずっと早く5年ぐらいで世界は大きく変わります。インターネットの発展により、情報量は過去10年で530倍以上になったとも言われています。これから将来は5GやAIにより、さらに指数関数的に情報が増加するが予想されています。現在でも人の処理可能な情報量をはるかに超えています。人が常にスマホを見ているのもそのためです。これからは、その膨大な情報を選別する能力が必要とされています。

情報を適切に判断するためのリテラシー(能力や知識)は、デジタル化された情報社会において非常に重要です。ChatGPTに、情報を判断するためのリテラシーを質問しました。

①  情報の信頼性を評価する能力: 情報源の信頼性や正確性を判断する能力が重要です。情報の出典や著者の信頼性、根拠や証拠の有無、バイアスや偏向性の存在などを考慮することが重要です。

②  ファクトチェックのスキル: 情報の真偽を確認するためのファクトチェックのスキルが求められます。公正で信頼性の高いファクトチェックの組織やウェブサイトの活用や、複数の情報源を参照することが重要です。

③  クリティカルシンキング: 情報を批判的に評価する能力が求められます。情報の主張や論証の妥当性や一貫性を考えることや、情報の裏にある意図や動機を考察することが重要です。

④  情報の多元性と視点の理解: 情報の多元性を理解し、異なる視点や意見を受け入れる能力が重要です。単一の情報源に頼るのではなく、多様な情報源から情報を収集し、総合的な理解を深めることが重要です。

⑤  プライバシーとセキュリティの意識: オンラインで情報を収集・共有する際には、個人のプライバシーやセキュリティについての意識が必要です。情報の信頼性だけでなく、情報の安全性やプライバシー保護の観点からも注意を払うことが重要です。

情報は必ず発信している人がいます。当然その人のポジション(立場)があります。情報を発信する人には、必ず何らかの意図があります。利害関係にも関わっています。誰がどういう立場で、何のために情報を発信し、それによって誰が利益を得わして、誰が損をするかを考えることは、情報発信者の真の意図を推測することに役立ちます。上記の情報リテラシーの必要性の重要性は、これから益々増します。

科学技術の進歩と環境の変化に対応していくことは、人にとっても企業にとっても生き残っていくためには必須です。対応できない場合は衰退することになります。現在は、第四次産業革命のさなかだと言われています。歴史的に見ても、産業革命の新しい技術革新は、従来の既得権を破壊して、その時の権力層に影響を与えています。産業革命によって、生まれた仕事もあれば、無くなった仕事もあります。それによって従来の既得権が無くなった人たち、組織もあります。

①  第一次産業革命(18世紀末〜19世紀初頭): 第一次産業革命は機械工業化の時代として知られています。次産業革命により織機の機械化が進み、水力や蒸気機関を動力源とする紡績機が現れ、多くの労働者は職を失いました。技術革新による機械導入が高賃金の熟練労働者の失業と、不熟練の労働者の酷使や深夜までの労働等の労働環境の悪化を生んだと考えた労働者たちは、機械や工場建築物を打ち壊す行動に出ました。

②  第二次産業革命(19世紀末〜20世紀初頭): 第二次産業革命は、電力と大量生産の時代として知られています。第二次産業革命は、石油・電気をエネルギー源とした重化学工業が起こりました。石炭産業の従事者による労使間紛争も起こり、大規模なストライキも頻発しました。資本の集中、巨大化が進み資本主義の帝国主義段階への移行をもたらしました。

③  第三次産業革命(20世紀後半〜21世紀初頭): 第三次産業革命は、情報技術とコンピュータの普及によるデジタル化の時代です。20世紀半ばから20世紀後半と、つい最近までのことです。コンピュータの登場による革命である一方、産業用ロボットが生まれるなど、人間が行っていた単純作業が自動化され、産業構造における労働の在り方が大きく変化しました。コンピュータとインターネットの技術の進歩により、コンピュータが一般化し、インターネットが発展しました。情報の共有や通信が容易になり、新たなビジネスモデルが生まれました。

④  第四次産業革命(現在進行中): 第四次産業革命は、物理的な世界とデジタルの融合を特徴としています。インターネット・オブ・シングス(IoT)によりネットワークに接続された機器やセンサーにより、物理的なシステムやプロセスがデジタル化され、リアルタイムのデータ収集や相互連携が可能になりました。ビッグデータと人工知能(AI)のデジタル技術の進歩により、膨大な量のデータが収集・処理されるようになりました。これにより、データ分析や予測が可能になり、意思決定やビジネスプロセスの最適化が行われます。また、AIの発展により、機械学習や自然言語処理などの技術が活用され、自律的な意思決定やタスクの自動化が進んでいます。ロボット技術の進歩により、物理的な作業やタスクの自動化が進みました。例えば、自動車工場や倉庫での自動化ロボットの活用、ドローンによる配送などが挙げられます。また、AIとの組み合わせにより、人間の動作や判断を模倣する人間型ロボットも開発されています。第四次産業革命は、デジタル技術と物理的な世界の統合により、生産性や効率性の向上、新たなビジネスモデルの創造、社会の変革などをもたらすと予想されています。

私の私見ですが、日本人は世界一「AI」との親和性が高い民族だと思っています。余談になりますが、日本の漫画の基盤を作ったのは「手塚治虫先生」です。紙幣の肖像画にしても良いぐらいの偉人だと思っています。多くの日本人が漫画から「愛と友情。夢と冒険。正義と悪。」を学んできました。手塚氏の代表作の1つは「鉄腕アトム」です。アトムと言うAIロボットが、正義のために人と一緒になって戦っています。日本人は、AIロボットを友達だと思える民族です。偶然でしょうが「AI」の日本語読みは「愛」です。日本の復活と発展は、これからどのようにしてAIを利用していくかにかかっています。日本人は、世界で一番AIと一緒に歩んでいける民族です。AIを利用した新しい産業を生みだし、AIと一緒に、「良い社会と世界」を作る役割が日本人にはあると感じています。

「鉄腕アトム」と「ターミネーター」の違いは、人との関わり合い方です。味方と敵の違があります。その差を生みだしているのは「労働」に対する価値観の違いです。「労働観の違いは、宗教と歴史によって生み出されている。」と読んだ覚えがあります。例えば、聖書の中の理想的な世界は「エデンの園」です。人は、神様の言いつけを破り、知恵の実を食べて「エデンの園」から追放されました。そのため人は死ぬことになり、生きていくために「労働」をしなくてはならなくなりました。ですから聖書では、「労働」は神様からの罰になります。そのため労働をしなくても済むように「奴隷」と言うシステムを作りました。そして常に「奴隷」からの「反乱」を恐れていました。私が思うには、西洋人にとってロボットは、現代の「奴隷」です。ですから反乱を恐れる気持ちが常にどこかにあります。日本の神話の「古事記」では、神々も「機織りや稲作」などの「労働」を行っています。天照大神は農業の神様です。ですから日本人の中には「労働は尊い活動」だという考え方が根付いています。日本は「奴隷制」を持たなかった民族だと言われています。日本人は、AIに対する恐怖心が少ない民族です。ですからAIと一緒に協力して良い社会を作るために活動できるはずです。

AIによって支配される恐れを感じている人もいるようですが、人を支配したがるのは「人」だけです。AIが独自に人を支配する欲望を持つとは想像できません。AIが人を滅ぼそうと考えたとしたら今の時点で可能です。社会は、コンピュータとネットワークとプログラムなしでは、ガス電気水道のインフラも、交通網も維持できません。パソコンが動かなければ仕事をすることもできません。それらが停止した時点で、人間社会は崩壊します。「ターミネーター」と闘うためには、兵站(補給・輸送・管理という3つの要素から成立つ総合的な軍事業務で、戦闘地帯へ後方から必要な物資や兵員を配置するといった活動全般)が必要です。つまり食料や武器の生産と補給が必須条件です。「ターミネーター」の世界では、それらは不可能です。科学の進歩は人間の思惑とは別に、進歩し続けます。ですから、人にはAIと一緒に進化する以外の選択肢はありません。人は、「簡単に、便利で、早く、安い」ものを求め続けます。社会が進歩するための原動力です

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