希少性 LM79

幸福になるためには、ある程度の収入は必要です。それと社会のためになっているという満足感も必要です。収入は、社会に対してどれぐらい価値創造、価値提供ができるかで決まります。価値は、需要と供給によって変わります。運転免許は運転できるという価値はありますが、今の時代は多くの人が持っているので、需要と供給、希少性を考えたら、社会的価値は決して高くありません。大型特殊免許は、難易度もありますが、取得者も多くないでしょうから、需要と供給、希少性を考えたら、社会的価値は高く、得られる収入は、タクシーの運転手さんよりも高額になります。
希少性は、物の価値を決める時の重要な要素です。ダイヤモンドは宝石では高価ですが、成分は単なる炭素の結晶です。美しくてもダイヤがどこにでもあれば無価値です。将来ダイヤが簡単に安く作れるようになったら暴落します。今、多くのダイヤを持っていても、環境によっては無価値です。砂漠で遭難した時には貴重なのは水です。僕はダイビングをしていましたが、海中で貴重なのは空気です。人か生きていくうえで貴重なのは食べ物です。空気と水と光です。ダイヤもお金も金もみんな貴重ですが、本当に貴重なものは命です。命をはぐくむための環境です。どんなに高価なものでも命がなくては無意味です。希少なもと本当に貴重なものとは別ものです。
収入を高めるためには、自分の社会的な希少性を高める必要があります。そのために、自分の能力、スキルに希少性を持たせることは必須です。希少性で収入が見込めるだけの需要も必要です。需要のあるビジネスをする必要があります。日本企業の就職では、英会話ができるのは有利です。でもアメリカなら子供でも英語が話せます。まだまだ日本では希少性があるから価値があります。AIの発達で会話や文書の自動翻訳が瞬時にできるようになれば、英語ができることの価値も落ちます。現段階でもかなり可能になっていますし、近い将来に予想できる現実です。
何かの分野でスペシャリストになれればそれが一番の希少性になります。1万人に1人の存在になれれば、まあまあの希少性です。メダリストは100万人に1人の存在、希少性だと言われています。僕のような平凡な存在が、一つの分野でスペシャリストになるくことは無理です。凡人には凡人の戦略があります。僕の例で話すと、仕事は広い領域では、コンサルと研修講師です。日本に何人いるか分かりませんが、そうとうな人数はいます。その全体の中でのトップを目指すのは、無理です。そのコンサルと講師の全体の中で、法人営業経験があり、営業系の研修とコンサルをしている人は、仮説ですが100分の1ぐらいです。その中で、プロジェクトの経験があり、プロジェクトマネジメントのコンサルと講師をしている人は、これも仮説ですが100分の1ぐらいです。両方を掛け合わせれば、1万分の1の存在になります。一分野のスペシャリストでなくても、当たり前のもの、普通のものの掛け合わせで、希少性を生み出すことができます。ただ注意すること、その希少性に対して市場と需要があることです。それがないなら、単なる独りよがりです。
スポーツ選手や科学者は、一分野でのスペシャリスト、希少性を持たなくては市場価値が生まれません。厳しい世界です。逆に僕のように特別な能力が無くても、組み合わせ、掛け算の考え方で市場価値を高めることはできます。100分の1の領域をどこで作り出していくかを考えるのが、希少化戦略です。その希少性が社会の為にもなることが理想です。

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