不愉快なニース㉔ 復興予算流用問題2

3/24の記事「泉房穂さん、”偽証罪”に問えない自民党裏金事件の政倫審は『言い訳の場』で『全容解明の場』ではないとバッサリ」。3/19の記事。玉川徹氏 茶番の政倫審にあきれ「やらないですよ、自民党は」「政権を代えるしかない」。連日ニュースでは、政倫審を取り上げていますが、与野党なれ合いのシナリオ通りの出来レースです。野党は、仕事をやっている風を出したいのでしょう。疑惑の解明より、ザル法の「政治資金規正法」の改正と、連座制の適用。金額に関係なく報告書に記載すること。政党助成金をもらっているのですから、パーティ券販売や政治献金の廃止を、法律で決めてほしいです。キックバックのお金を懐に入れているのですから、脱税で取り締まって欲しいです。国民の注意を、与野党のパフォーマンスで引き付けている間に、どんどん庶民の暮らしが苦しくなる法律を決めています。復興予算の流用も平気で行われています。

2011年3月11日に起きた「東北地方太平洋沖地震」の復興を名目にした増税が継続。

・福場ひとみ著「国家のシロアリ: 復興予算流用の真相(2013/12/12 )を読んで、「がんばれ! ニッポン!」のスローガで始まった、「日本人の善良さ」を利用したキャンペーンで始まった「復興予算」を官僚が自分たちの都合の良い予算で使っていることが理解できました。2012/7/30の福場ひとみ氏の記事「復興予算15兆円のうち約6兆円が使われず1兆円を役人ネコババ」より政府は震災復興のため、昨年度は3次にわたって約15兆円もの復興補正予算を組み、今年度分と合わせて総額19兆円(当面5年分)の震災復興予算を東北に集中的に投下することを決めた。その財源をまかなうために2013年1月から25年間にわたる所得税引き上げと10年間の住民税引き上げ(2014年6月実施)という、異例の長期間の臨時増税が実施される。「復興財源の足しにする」ために子ども手当制度の廃止(減額)、高速道路無料化実験の廃止、国家公務員の人件費削減などが決まったことは記憶に新しい。それでも、国民は「欲しがりません復興までは」と負担増に堪える覚悟をした。昨年度の復興予算約15兆円のうち、4割に相当する約6兆円が使われずに余った。自治体への復興交付金も8割以上が残り、前述の被災者向け復興住宅の整備予算に至っては1116億円のうちわずか4億円しか使われていない。総額19兆円を注ぎ込む復興は、絵に描いた餅だった。大新聞・テレビはそうした復興予算の使い残しの原因は自治体の職員不足や縦割り行政の弊害だと報じているが、真実を見ていない。霞が関の役人は、わざと復興のカネを被災地の自治体には使えないように制限している。その証拠に、余った復興予算のうち「不用額」とされた約1兆円は、今年度から新設された「東日本大震災復興特別会計(復興特会)」に繰り入れられ、各省庁に分配される。この復興特会の使途を見ると、復興とは名ばかりで、国民・被災者が知らないところで役人の掴みガネとなっていた。

・東日本大震災復興特別会計とは、東日本大震災からの復興に係る国の資金の流れの透明化を図るとともに復興債の償還を適切に管理するため、その歳入歳出を一般会計から区分して設けられた特別会計のことであり、区分経理特別会計の1つである。2019年度(平成31年度)当初予算の額。歳入:合計 2兆1347億9032万6千円。主要歳入:復興特別所得税 4196億円。一般会計より受入 1848億1135万5千円。復興公債金 9284億円。事故由来放射性物質汚染対処費回収金収入 494,8億65,15万5千円。歳出:合計 2兆1347億9032万6千円となっている。予算の支出内容をみると、前述の福場ひとみ氏の指摘通りに、復興の名目が付けば、官僚が好き勝手に予算を使っているように見えます。

・2023/3/7 ジャーナリスト 町田徹氏東日本大震災から12年…岸田政権の「復興特別所得税」の流用という姑息な増税の「超長期化」リスク。政府はこの間、「復興特別所得税」という増税を行って財源を確保、被災地の復旧・復興・振興に努めてきたとの立場を採っている。これに対して、会計検査院が今年2月に国会に提出した調査報告によると、それらの復興関連事業の2011年度から2020年度までの10年間の予算として44兆7478億円が確保されたにもかかわらず、実際に投入された「支出額」は38兆1711億円(予算の85.3 %相当)にとどまり、復興事業が決して迅速に行われていないことを示唆した。そればかりか、執行不能とみなされた「不用額」は6兆1448億余円(同13.7%)、期間内に消化できなかった「繰越額」は4317億円(同0.9%)と決して小さくなく、政府の見通しの悪さを裏付けた。加えて、政府が設けた「復興特別会計」は、カネの流れの透明化と言う名目はまさに名ばかりで、予算のブラックボックス化が進み、「復興予算は政治家やお役人の使いたい放題の予算と化している」との批判も高まっている。ところが、当の岸田政権には復興資金の使途を徹底的に解明、開示する意欲も、無駄使いの責任を問う覚悟もみられない。むしろ、同内閣は昨年暮れ、防衛力強化のために復興増税の一部を流用する方針を固め、その徴税期間を10年前後延長する方針を広言している有り様だ。日本を取り巻く安全保障環境を考えれば、防衛力の強化が10年程度で終わると考えるのは楽観的過ぎるだろう。個人事業主や給与所得者を対象にそれぞれの所得税に2.1%を上乗せしている「復興特別所得税」の「令和17年(2035年)までの時限的な増税」というタガが外れ、徴税期間が超長期化したり恒久化したりするリスクが高まっている

防衛費増額の財源を確保するための法案が2023年6月16成立した。防衛費増額の財源として、東日本大震災の復興費も「転用」する方針です。復興財源は、所得税の増税で捻出してきました。岸田首相が掲げる防衛費増額の財源確保に向け、政府与党が議論している復興特別所得税の仕組みの転用について、この税を徴収する期限を現行の2037年からさらに20年程度延ばす案が検討されていることがわかった。与党税制調査会の幹部が語った。与党税調で今後詰め、週内にまとめる税制改正大綱に反映することをめざす。岸田首相は2月14日の衆院予算委員会で、2027年度までの5年間で総額43兆円の防衛財源を確保するための防衛増税について「国民の負担をお願いする」と述べ、予定通り27年度に向け1兆円程度を増税で確保する方針を示した。立憲民主党の階猛氏は、能登半島地震への対応を念頭に、東日本大震災の復興財源を防衛費に実質的に付け替えるのをやめるよう求めたが、首相は正面から答弁しなかった。

・2023/6/21の記事。「復興特別所得税、1270億円がすでに防衛費に使われていた」。実は、復興予算は2011年度から2015年度にかけて、その一部が防衛費に使われていることがわかりました。岸田首相の防衛費増額方針に合わせて新たに出てきた案ではなく、すでに実行したことを再びやろうとしているのです。予算が執行されたのは、計15事業で総額1270億円超に上ります。重機関銃を備えた装甲車、有事に作戦部隊を送るための輸送機、自衛隊施設の改修など「それが被災地の復興と何の関係が ?」と突っ込みたくなる事業が目白押しです。税金の使い道に関わる、モラルが崩壊しています。復興予算がすでに流用されています。マスコミはこうしたことは報道しません。

復興庁とは、一刻も早い東日本大震災からの復興を成し遂げられるよう、被災地に寄り添いながら、前例にとらわれず、果断に復興事業を実施するための組織として、内閣に設置された組織です。 復興庁は、(1)復興に関する国の施策の企画、調整及び実施、(2)地方公共団体への一元的な窓口と支援等を担います。2021年3月末に設置期限を迎える復興庁について、政府は、設置期限を10年間延長し、2031年まで存続させる方針を固めました。2023年で218名。2024年度の復興庁の「概算予算」で4707億円、内「一般行政経費等」で48億円、「大阪万博関連予算」で4億円が計上されています。復興庁は、継続的に「復興特別所得税」を取り続けるための組織で、各官庁に予算を振り分ける窓口です

・東日本大震災復興交付金とは、東日本大震災復興特別区域法によって定められている東日本大震災によって被害を受けた地域の円滑、迅速な. 復興を支援するための交付金。被災地方公共団体が自らの復興プランの下に進める地域づくりを支援し、復興を加速させることが目的復興交付金は2020年度をもって廃止。やむを得ない事情により未完了となった一部の事業については、令和2年度までに計上された予算の範囲内で支援を継続。地方には予算を付けない。現場の自由にさせないということのようです。

・東日本大震災の復興財源を確保するための時限的な課税措置2011年12月2日に「復興財源確保法」が公布所得税住民税法人税にそれぞれ復興特別税が加算される。

・復興特別所得税は、2013年から2037年までは、所得税と併せて納める必要があります。税額は「基準所得税額」に税率2.1%をかけて算出します。この復興特別所得税はど令和4年度の収入概算)をみると、所得税合計20兆3820億円から復興特別所得税を計算すると、4162億円です。

・復興特別法人税2012年(平成24年)4月1日から2014年(平成26年)3月31日までの2年間の事業に対し課税された。復興特別法人税の額は各事業年度の法人税額の10%の金額です。当初は3年間の予定であったが、2013年(平成25年)12月2日、自民党公明党の両党は与党税制協議会で復興特別法人税の1年前倒し廃止を正式決定した。

・復興特別住民税は、日本大震災からの復興の施策財源として2014年(平成26年度)から2023年(令和5年度)まで10年間にわたり、住民税の均等割に対し、道府県民税、市町村民税から各500円(総合計1,000円)を加算する。復興特別税は、2023年度で終了のはずが、森林環境税(森林環境税及び森林環境譲与税に関する法律施行令)は、2024(令和6)年度から、国内に住所のある個人に一律で年1,000円課税される国税です。 2014年より住民税には1,000円の復興特別税が上乗せされてきました。 この復興特別税と入れ替わる形で、2024年から同額の森林環境税が徴収されます。とにかく一度とった税金は、何があってもとり続けます。復興特別所得税は、期間延長されそうなのに、復興特別法人税は、1年前倒しで廃止されています。不公平です。

2024年3月11日東北の復興状況の記事 nippon.com

・住宅、交通インフラ整備はほぼ完了:高台移転による宅地造成(計画約1万8000戸)、災害公営住宅の整備(計画約3万戸)など、住宅の再建・復興まちづくりの事業はほぼ完了。2021年12月に仙台市と青森県八戸市を結ぶ総延長359キロメートルの三陸沿岸道路が全線開通し、復興道路・復興支援道路のインフラ整備がほぼ完了した。鉄道は、20年3月にJR常磐線が全面開通している。復興庁によると、被災3県(岩手、宮城、福島)の生産設備はほぼ復旧。農業・水産業をみると、津波被災農地の95%(22年9月末)で営農再開が可能に。被災3県の水産加工業は、再開を希望する施設のうち98%で業務を再開した(21年12月)。原発事故の影響により長く操業自粛を余儀なくされていた福島県の沿岸漁業・底引き網漁業は、21年3月末をもって試験操業を終了。水揚げと流通量を段階的に拡大し、数年後の本格操業移行を目指す。

・福島の現状復興拠点の避難指示解除進む。東京電力福島第1原子力発電所事故による放射線物質の放出・拡散により、原発周辺の6町村の一部が現在も避難指示区域(帰還困難地域)に指定されている。同原発では、廃炉作業が続いている。政府は、各町村の帰還困難地域のうち優先的に除染が進められている「特定復興再生拠点区域(復興拠点)」で、2022年6月から順次避難指示を解除。これまでに葛尾村、大熊町、双葉町で一部住民の帰還が実現した。23年にも浪江町、富岡町、飯舘村で復興拠点の解除が実現する見通し。しかし、帰還を望む住民は今のところ、わずかな数にとどまっているのが実情だ。

・被災地の復興は進んでいるようで喜ばしいです。復興特別所得税を2037年から,さらに20年延長する必要性を説明してほしいです

余談 米国映画芸術科学アカデミーが、3月10日(米現地時間)、第96回アカデミー賞の受賞作品を発表した。『君たちはどう生きるか』が長編アニメ賞を受賞し、『ゴジラ -1.0』は視覚効果賞を受賞!のニュースで、遅ればせながら。『君たちはどう生きるか』を観ました。同様に考えた人が結構いたようで、意外と混んでいました。ネットのコメントでは「難しかった」との感想がいくつかありました。私はどうしても映画を見る時には「製作者の意図は」とか「どうしてそういう流れになったのか」とか「何か学べることは」とか考えてみてしまいます。この映画は、なぜそうなったかの設定の説明はほとんどないので、途中からそんな風に考えるのを止めました。宮崎駿監督が、作った異世界の迷宮を、主人公の少年(真人)と冒険するような気持で楽しんでいました。ドキドキハラハラして退屈しませんでした。映画では、主人公と空襲で亡くなった母親と新しい母親になった母親の妹と父親との人間関係と心情はリアルに描かれていました。宮崎監督も早くお母さまを亡くしているのではと思い調べました。実際には「大恋愛の末に結ばれた父親の前妻が結婚直後に結核で亡くなり、その直後に父があっさり自分の母と再婚した結果として自分が誕生した」そうです。そのあたりの子どもの頃の複雑な心情が、ストーリーに反映していると思いました。映画のラストに、新しい母親が生んだ少し大きくなった男の子が描かれていますが、あれが「宮崎駿」なのでしょう。私と「死生観」が近い気がしました。「今の私が存在しているのは、過去をさかのぼって、ずっとご先祖様が命をつないでくれたおかげです。逆にその間に多くの人が、戦いや病気などで思いを遂げられないまま命を失っています。もし、その方々が生きていたとしたら、人間関係も変わり私が生まれていない可能性もあります。命を引き継いでくれた人々に感謝するとともに、その間に亡くなった人たちにも感謝する気持ちがわいてきます」。少し前に『ゴジラ -1.0』も観ました。アニメや怪獣映画は子供向き映画のイメージを持ちますが、どちらも、むしろ高校生以上ぐらいがマーケティングの対象の気がします。他に最近では「あの花が咲く丘で君とまた会えたら」を観ました。映画は予言の要素があると言われています。3本とも、終戦前後の話です。「平和な時代から戦争の時代」に移り変わる予知でないことを願っています

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