ロジカルシンキングの原理原則 18 ロジカルシンキングの注意点3

・前提条件と制約条件に注意 : 「前提」とは「ある物事が成り立つための土台となる条件」であり「制約」とは「成立・行動の自由を制限する枠」です。プロジェクトマネジメントの前提条件(Assumptions)とは、「計画を立てるにあたって、証拠や実証なしに真実、現実、あるいは確実であると考えられた要因」。制約条件(Constraint)とは、所定のコースに沿って活動するまたは活動しないことに対して制約を受ける状態、性格、意識」とPMBOK(プロジェクトマネジメント知識体系)で定義されています。「前提条件」の中には、その条件が亡くなった時には、プロジェクト全体を見直さざるおえない条件なども含まれます。たとえば多くの社内の新規事業のプロジェクトは「会社の承認」が前提になっています。承認が取れなかった時は、プロジェクトの見直しや中止を検討する必要が出てきます。前提条件はプロジェクトが立ち上がる時の土台にあたるともいえます。「制約条件」とは、設定された範囲の中で活動されることを望まれている条件になります。多くのプロジェクトの場合、納期(Delivery)品質(Quality)規模(Scoop)予算(Cost)などは制約条件になります。プロジェクト活動の中で必要に応じて調整されます。制約条件はプロジェクトにおいては柵やコースにあたるともいえます。ビジネスでは与えられた条件の中で、活動を行います。何が前提条件で、何が制約条件かを理解しておく必要があります。
・隠れた前提(条件)に注意 : 「前提(条件)」は、物事を進めていくのに非常に重要な条件であるにも関わらず、しばしば表現されずに「隠れて」います。「隠れた前提」とは、議論の中でお互いに表明していないが、主張の中に組み込まれていて結論の根拠になっている前提のことです。「隠れた前提」を考えることは大事です。隠れた前提は「思いこみ」や「常識だと思っていること」が原因になります。例えば、営業活動では、しばしば訪問件数が目標指標として取り上げられますが、隠れた前提として「訪問件数が増えれば売り上げが増える」があります。国内市場が縮小する中、訪問件数だけで売り上げ確保することは困難です。地球温暖化は「二酸化炭素」が原因として二酸化炭素削減がマスコミで取り上げられています。正しいかどうか僕には判断できませんが「自然破壊」や「太陽の活動」などの多くの要因が原因になっているとの論文もあります。「隠された前提」は何か。その前提は正しいのか?ロジカルシンキングは、前提を疑うことが基本です。
・「逆」「裏」「対偶」に注意 : 演繹法の「AならばB」は論理ミスが起こりやすいため、「逆」「裏」「対偶」でチェックする必要があります。「逆」とは、命題「AならB(A⇒B)」が「BならA (B⇒A)」になります。「裏」とは、命題の否定表現です。「AでないならBでない」になります。対偶(たいぐう)とは、ある命題が成立する場合に、その命題の仮定と結論の両方を否定した命題も成立するという命題同士の関係性の事を言います。命題「AならばB」の真偽とその対偶「BでないならAでない」の真偽とは必ず一致します。「裏」の否定表現になります。例として命題「業績の良い企業は営業力が強い」である場合、逆は「営業力が強い企業は業績が良い」になります。裏は「業績の悪い企業は営業力が弱い」になります。対偶は「営業力が弱い企業は業績が悪い」になります。この思考法で論理のほころびを見つけだします。例えば私は「営業活動の効率化のためには、システム化(SFA)が必要」との提案の逆の論理で「システム化をすれば、営業活動が効率化するのか」のように考えて論理的に正しいか判断します。

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