プロジェクトマネジメントの原理原則12 実行プロセス群、監視・コントロール・プロセス群

計画プロセス群で作成した「プロジェクトマネジメント計画書」が組織で承認されて、「実行プロセス群」に進みます。実行プロセス群の基本的な考え方は、「統合マネジメント」で作成した「プロジェクトマネジメント計画書」に沿って実行することです。「実行プロセス群のプロセスは10あります。
・統合マネジメントの実行プロセスは、「プロジェクト作業の指揮・マネジメント」です。プロジェクトマネジメント計画書で定義された作業をリードし、遂行し、統合変更管理で承認された変更を実行します。実行プロセス群やることを総括的に集約しています。「プロジェクト知識のマネジメント」は、既存の知識を利用し、新しい知識を創造するプロセスです。このプロセスはPMBOK第5版から加わりました。要は過去のプロジェクトの資料を利用し、今回のプロジェクトで新しい資料を作ることです。
・品質マネジメントの実行プロセスは、「品質のマネジメント」です。組織の品質方針をプロジェクトに組み入れ、品質マネジメント計画を品質活動の実行するプロセスです。PMBOK第5版では「品質保証」と表現されていました。
・資源マネジメントの実行プロセスは「資源の獲得」です。プロジェクト作業を完了するために必要となる要員、設備、装置他の資源を確保するプロセスです。それと「チームの育成」です。プロジェクトのパフォーマンスを向上させるために、メンバーの能力を育成し、チーム間の交流を促進し、チーム環境を改善させるプロセスです。それと「チームのマネジメント」です。プロジェクト・パフォーマンスを最適化するために、メンバーのパフォーマンスを確認し、フィードバックを行い、課題を解決し、チーム変更をマネジメントするプロセスです。
・コミュニケーション・マネジメントの実行プロセスは「コミュニケーションのマネジメント」です。プロジェクト情報の生成、収集、配布、検索、廃棄等を適宜、適切、確実に行うプロセスです。
・リスク・マネジメントの実行プロセスは「リスク対応策の実行」です。合意済みのリスク対応計画を事項するプロセスです。
リスク・マネジメントの実行プロセスは「リスク対応策の実行」です。合意済みのリスク対応計画を実行するプロセスです。
・調達マネジメントの実行プロセスは「調達の実行」です。調達マネジメント計画で決めた調達方法に基づいて、納入先の選定や契約方法を決めるプロセスです。
・ステークホルダー・マネジメントの実行プロセスは「ステークホルダー・エンゲージのマネジメント」です。ステークホルダーのニーズに応えるために、話し合い、協力し、発生した問題への対応しステークホルダーの適切な関与を即するプロセスです。
・監視コントロール・プロセス群は、「プロジェクトマネジメント計画書」の計画と、実行プロセス群で実施されたデータとの差(ギャップ)を分析(差異分析)し、「是正処置・予防処置・欠陥修正」が必要かどうか判断します。必要だと判断されたときに各知識エリアの「監視コントロール・プロセス」で「変更要求」が行われます。その結果、実行すべきと判断されたときに「承認済み変更要求」となって、再度「実行プロセス群」で実施されます。ですから「実行プロセス群」と「監視・コントロール・プロセス群」とは相互に密接に関連性があり、現場では同時並行的に作業されます。「監視・コントロール・プロセス群のプロセスは12あります。
・統合マネジメントの監視・コントロール・プロセスは、「プロジェクト作業の監視・コントロール」です。プロジェクトマネジメント計画書に定義されたパフォーマンス目標を達成するために、進捗を追跡しレビューし統制するプロセスです。それと「統合変更管理」です。すべての変更要求をレビューし、変更を承認し、要素成果物、プロジェクト文書、プロジェクトマネジメント計画書への変更をマネジメントし、決定事項を伝達するプロセスです。このプロセスで「承認済み変更要求」がされます。変更を管理するうえで重要なルールが4点あります。①変更要求の申請は必ず文書「変更管理申請書」で行う。当たり前ですが口頭ではだめです。②あらかじめ変更を承認できる、権限のある組織化人を決めておくPMBOKできその組織を「変更管理委員会(CCB:Change Control Board)」と表現しています。「変更管理委員会」で変更要求の「採用・不採用・保留」を決めます。③実行された変更は、プロジェクトに関わる全員で情報共有する。④申請された「変更要求」は、「承認・否決・保留」に関わらず、全て一覧表「変更管理簿(台帳)に必ず文書で記録します。
・スコープ・マネジメントの監視・コントロール・プロセスは、「スコープの妥当性確認」です。ステークホルダーとともに要素成果物をレビューし、公式な受け入れを得るプロセスです。プロジェクトの要素成果物の受け入れ基準は、要求事項文書で定義されます。「スコープの妥当性確認」で、成果物のレビューを行い、問題がなければ、公式に受け入れられ「受け入れ済みの要素成果物」になります。それと「スコープのコントロール」です。プロジェクト・スコープと成果物スコープの状況を監視し、スコープ・ベースラインに対する変更をマネジメントするプロセスです。
・スケジュール・マネジメントの監視・コントロール・プロセスは、「スケジュールのコントロール」です。スケジュールの状況を把握し、変更をもたらす要因に働きかけ、変更を確定し管理するプロセスです。
・コスト・マネジメントの監視・コントロール・プロセスは、「コストのコントロール」です。スケジュールの状況を把握し、変更をもたらす要因に働きかけ、変更を確定し管理するプロセスです。予算を更新するためにプロジェクトの状況を監視し、コスト・ベースラインへの変更をマネジメントするプロセスです。ツールと技法の中で、EVM(Earned Value Management)が紹介されています。EVMの直訳は、プロジェクトによって「得られた価値の管理」になります。ある時点までに計画した予定と予算と、使われた予定と予算が比較され、プロジェクトがどの程度遂行されつつあるか、実績と進捗を客観的に測り定量的に評価するプロジェクト管理の技法です。あくまでも個人的な意見ですが、EVMが使われているケースを知りません。内容もほとんど頭に入っていません。「PMP試験対策の講義」の時に再度読み直します。一般的でない理由は、例えば、蒸し暑さを数量的に表した指数として、気温と湿度から「不快指数」が出されますが、気温と湿度で表現したほうが理解しやすいです。プロジェクトもスケジュールと予算で、遅れや超過を表現してもらった方が理解できます。EVMは必要に応じて学べば良いと考えています。
・品質マネジメントの監視・コントロール・プロセスは、「品質のコントロール」です。プロジェクト活動全体を通して、結果を監視し、その結果を記録し、必要に応じて、是正処置を行うプロセスです。プロジェクト活動全体を通して、結果を監視し、その結果を記録し、必要に応じて、是正処置を行うプロセスです。
・資源マネジメントの監視・コントロール・プロセスは、「資源のコントロール」です。プロジェクト活に割り当てられ配布された物的資源が可能であることを確実にし、実際の利用を監視し、必要に応じて是正処置を行うプロセスです。
・コミュニケーション・マネジメントの監視・コントロール・プロセスは、「コミュニケーションの監視」です。ステークホルダーの情報ニーズを確実に満たされるようにするプロセスです。ステークホルダーの情報へのニーズを満たすために、状況報告、進捗測定(実績報告)、予測等のパフォーマンス情報を収集し、配布します。
・リスク・マネジメントの監視・コントロール・プロセスは、「リスクの監視」です。プロジェクト全期間に渡り、リスク対応計画を実行するプロセスです。リスクの追跡、残存リスクの監視、新たなリスクを特定します。
・調達マネジメントの監視・コントロール・プロセスは、「調達のコントロール」です。契約した作業が確実に行われているかを監視し、必要に応じて、変更と是正を行うい、さらに契約を終結させるプロセスです。
・ステークホルダー・マネジメントの監視・コントロール・プロセスは、「ステークホルダー・エンゲージメントの監視」です。プロジェクト全体を通してステークホルダーの関与の度合いを監視し、積極的に関わってもらうように、ステークホルダーへの戦略及び計画を調整するプロセスです。

カテゴリー: エッセイ   この記事のURL