雑筆13 ドーパミン中毒

コロナ禍のころ、脳科学者の中野信子さんの「正義中毒」の記事を読み、人の行動と「ドーパミン」との関係に興味を持ちました。著書「脳内麻薬 人間を支配する快楽物質ドーパミンの正体」で、「セックス、ギャンブル、アルコール、オンラインゲーム–人間はなぜ、これらをやめることができないのか。それは中脳から放出される“脳内麻薬”ドーパミンが「快感」を司る脳の各部位を巧みに刺激しているからである。この脳内回路「報酬系」を誤動作させて過剰な快楽を与え、依存症を招く」と書いています。2022年に日本でも発刊されたスタンフォード大学医学部教授のアンナ・レンブケ氏の書いた「ドーパミン中毒」は、ベストセラーになっています。 それらを読むと、人の行動は「理性的な判断」より、かなりの部分がドーパミンに影響されることが分かります。特に依存症と呼ばれる症状には「ドーパミン」が大きく関わっています。依存症とドーパミンの関係について、ChatGPTに聞いてみました

(私) ドーパミンの働きについて教えてください。

(GPT) ドーパミンは快楽物質と呼ばれている神経伝達物質です。楽しいことをしているときや目的を達成したとき、褒められたときなどに、快感や幸福を人に感じさせますドーパミンは何かをしようとする意欲や動機付けにも関係しています。新しいことを始めようとしたり、旅行の計画を立てたりしているときワクワクするのもドーパミンの分泌によるものです。また、ある行為でドーパミンが放出されて快感を感じると、脳がそれを学習し、再びその行為をしたくなります。このように、ドーパミンは脳にとってこの上ない快楽をもたらす報酬となっています。そして、さらに大きな快楽を得ようと努力するようになります。こうした報酬形の学習サイクルは、動物が環境に適応し、生きていくためにはなくてはならないものです。人が高度な社会を築くことができたのも、より大きな快楽や幸福を得るための活動を繰り返してきたからです。個人においても、欲求を満たし、目標を達成することを積み重ねることで、さらに大きな意欲が生まれ、人間的にも成長していくことができます。つまり、人は常に快楽(ドーパミン)を求めて行動しているといえるでしょう。人は、快楽を求め続けます。それが仕事や勉強といった自分にとってプラスに働くものであればよいですが、時としてその快感を再び味わいたいという欲求に負けて、依存症になってしまう場合があります。例えばパチンコ依存症です。現在のパチンコは、一発大当たりで大量の出玉が獲得できるようになっています。大当たりしたとき、ドーパミンが大量に放出されて、快感を感じます。すると脳は、この快感を何度も味わいたいと思うようになり毎日のようにパチンコをしたくなってしまうのです。そのほか、ドーパミンの快楽を求め、買い物依存症やゲーム依存症などを引き起こすこともあります。また、アルコール依存症の場合は、アルコールを摂取することによりドーパミンの放出を抑える神経伝達物質の分泌が低下し、結果的にドーパミン濃度が高くなります。アルコール依存症に陥ると、アルコールを飲むことによってさまざまな問題が生じているにもかかわらず、飲酒をコントロールできなくなり、飲む量を増やさないと酔った気分にならず、やがて手が震えたり動悸がしたりといった離脱症状が表れます。

(私)ドーパミンと依存症の関係を教えていただきました。ギャンブルなどは、継続的に当たるより、当たりはずれがある方が依存性が高くなると聞きましたがなぜでしょうか。

(GPT) ギャンブルなどの継続的な報酬ではなく、間欠的な報酬が依存性を高める理由は、ドーパミンと報酬予測エラーの関係により説明されます。ドーパミンは、報酬や快楽を調節する神経伝達物質であり、依存性の形成にも関与しています。報酬を受けることによってドーパミンが放出され、快感や満足感をもたらします。しかし、ドーパミンの放出は報酬そのものよりも、報酬の予測によって活発化することが知られています。報酬の予測は、予測された報酬と実際の報酬との差異、つまり報酬予測エラーによって生じます。予測された報酬よりも実際の報酬が大きい場合には、ドーパミンの放出が増加します。逆に、予測された報酬よりも実際の報酬が小さい場合には、ドーパミンの放出が抑制されます。ギャンブルなどの間欠的な報酬では、報酬が不確実で予測しにくい要素が含まれています。当たりはずれがあり、大きな報酬を得る確率が低いため、報酬予測エラーもより大きくなります。このような場合、報酬の予測エラーが増加することによって、ドーパミンの放出が強化される傾向があります。このドーパミンの放出によって、ギャンブルなどの間欠的な報酬に対する依存性が高まると考えられています。予測不可能な報酬を追い求めることで、ドーパミン系の神経回路が活性化され、快感や興奮をもたらすことがあります。このような報酬の予測エラーとドーパミンの関係が、間欠的な報酬に対する依存性を強める一因とされています。ただし、依存症は複雑な問題であり、ドーパミンだけで完全に説明できるわけではありません。他の神経伝達物質や脳の回路も関与しています

・ギャンブルを始めてやった人が、たまたま「ビギナーズラック」で大当たりをしてしまい、それからギャンブルにはまってしまい破滅した事例を聞くことがあります。それは、期待していないのに予想外に当たってしまうことが原因になっています。初めてのキャンブルで「ビギナーズラック」に出会わない人の方が多いとは思いますが、それはむしろ「ラッキー」な出来事だったのかもしれません。

(私) ドーパミンが減るとどうなりますか?

(GPT) ドーパミンが少なすぎると・・・(欠乏症)パーキンソン病/精神病/物忘れ/無気力/集中力が低下する/注意力がなくなる/物覚えが悪くなります。

(私) ドーパミンが多すぎるとどうなりますか?

(GPT) ドーパミンが多すぎると・・・(過剰症)幻覚・妄想/パラノイア/統合失調症/強迫神経症/異行/おちつきがなくなる/力加減がわからなくなります。

(私) 依存症を脱出する方法としては、どのようなものがありますか。

(GPT) 依存症を脱出する方法としては、以下のようなものがあります。

①  医療的治療:薬物療法や精神療法、回復プログラムなどを用いて、身体的な依存や心理的な問題を解決する方法です。医療的治療は、医師やカウンセラーなどの専門家の指導の下で行われます。

②  自助グループ:アルコホーリクス・アノニマスやナルコティクス・アノニマスなどの自助グループに参加することで、同じ悩みを持つ人たちと共に支え合い、自己助力によって依存症を克服する方法です。

③  アプローチ変化:ストレスマネジメント、ライフスタイルの改善、新しい趣味や興味の発見、社会的なサポートを受けることで、依存症に至る背景にある問題を解決し、アプローチを変える方法です。

④  再発予防:依存症を克服した後も、再発しないようにするための支援や、依存症のリスクが高い状況においても対処する方法を学ぶことが必要です。

ただし、依存症は個人差が大きく、一人ひとりに合った治療法が必要です。また、依存症に陥る前の段階での予防や、依存症に陥るリスクの高い人へのサポートも重要です。

(私) ありがとうございます。今日も参考になりました。またお願いします。

(GPT) どういたしまして!お役に立ててうれしいです。何か他に質問があればいつでもお気軽にどうぞ。お力になれる範囲でお答えします。またのご利用をお待ちしています。よい一日をお過ごしください!

・誰でもが多かれ少なかれ何らかの依存症を持っています。私の理解ですが、ギャンブルにはまる人は、当たって大金を得たいというよりも、当たったときに出るドーパミンを求めてキャンブルを続けています。ブランド物などのコレクションを過度に収集する人たちは、その物が欲しいというよりも、得たときに出るドーパミンを求めて買いものを続けています。依存症を抑制する一番の方法は、自分の欲望や行動のかなりの部分が、ドーパミンによってコントロールされているということを自覚することではないでしょうか。人には理性がありますから。

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