アクティビティの順序設定 : 実務では、アクティビティではなくWP(ワークパッケージ)間の前後関係を特定するプロセスです。順序の設定は、WP間の依存関係で判断します。依存関係は以下の4種類があります。①強制依存関係「WPの順序関係間に明確な前後関係がある場合」例えば、ビルの建築は土台を作ってからでないと上物は立てられません。前の作業がなければ次の作業に入れません。ハードロジックとも呼ばれています。プロジェクトで順番を決められません。②任意依存関係「WPの順序関係間に明確な依存関係がなく、作業順を任意に決めることができる場合」。例えば、新システム導入を「関東地区」と「関西地区」のどちらを先にしてもよいような場合です。ソフトロジックとも呼ばれています。プロジェクトで順番を決められます。主にはこの2種類ですが、③外部依存関係「外部に依存する場合」。例えば、外部に発注したPCが納入されないと次に進めないような場合です。④内部依存関係「内部に依存する場合」。例えば、作業に必要な人員が不足しており、前の作業が終了しないと 次の作業ができないような場合です。依存関係をネットワークで表す技法としては、プレシデンス・ダイアグラム法(PDM / Precedence Diagram Method)が使われます。作業を「ノード(Node)」と呼ぶボックスで表します。WPが「ノード」になります、WP間の依存関係を検討して順番を決めます。そして順序関係は「ノード」間を矢印でつなぎます。さらにリードとラグの期間を検討します。リード(Lead)とは、先行作業が終了する前に、後続作業の開始を前倒しできる依存関係です。例えば、ソフトウェアのテストは、完成前に、単体テストをして完成後に結合テストをするようなことです。ラグ(Lag)とは、先行作業の終了後、後続作業を一定の期間を遅らせないと開始できない依存関係です。例えば、製薬で新薬の製造と販売は、認可が下りてからでないとできません。GWやお正月休みのような空白期間もラグになります。
・スケジュールの作成 : WP(アクティビティ)順序設定、所要期間。資源に対する要求事項、スケジュールの制約条件を分析し、スケジュールを作成するプロセスです。PDMでプロジェクトの期間を計算します。その後にマネジメントしやすいようにガント・チャートを作成します。そして、このスケジュールで期間はいいのか、要員の負荷は適切なのかを分析して調整します。プロジェクトの総期間を見積もる手法は、クリティカル・パス法(Critical Path Method)です。クリティカル・パスとは、ネットワーク図の開始から終了までの間で、最も長い期間を要する経路、およびその時間を指します。クリティカル・パス上にある作業のどれかが遅れると、プロジェクト全体の終了の遅れにつながります。クリティカル・パス分析の手法は、PDMでWPの所要期間を各経路で計算して、最長の経路を求めます。最長の経路がプロジェクト全体の所要期間にあたります。クリティカル・パスでは、以下の5つの期間を計算します。①最早開始日(ES/Early Start)作業を開始できる最も早い時期。先行作業がある場合、その最早終了と同じです。最初の作業ではゼロ(0)となります。先行作業が2つ以上ある場合、その中で最早終了日が最も遅いものが後続作業の最早開始日となります。②最早終了日(EF/Early Finish)作業を終了できる最も早い時期③最遅終了日(LF/Late Finish)作業を終了できる最も遅い時期。ただし、プロジェクト全体の終了期限を遅らせない。後続作業が2つ以上ある場合、その中で最遅開始日が最も早いものが先行作業の最遅終了日となります。④最遅開始日(LS/Late Start)作業を開始できる最も遅い時期。ただし、プロジェクト全体の終了期限を遅らせない。⑤フロート(Float)スケジュール上の余裕時間。一般的には、「バッファ」といわれています。フロートは最遅終了日から最早終了日を引いて求めます。フロートゼロ(0)の経路がクリティカル・パスになります。その後にクリティカル・パス分析したPDMから、ガント・チャート(Gantt Chart)を作ります。ガント・チャートとは、作業計画およびスケジュールを横型棒グラフで示した工程管理図、またはその表記法のことです。最近はガント・チャートをソフトウェアで作成することが増えてきました。ソフトで作成するためには、作業番号、作業内容、所要期間、依存関係のデータとしてWBSやPDMの情報は必要です。スケジュール・ベースラインは、組織で承認されたPDMとガント・チャートです。
・スケジュールの調整 : 作成したスケジュールを短縮しないとならないケースは、頻繁にあります。短縮する手法はクラッシングとファスト・トラッキングの2つがあります。遅延の時の加速方法です。クラッシング(Crashing)とは、クリティカル・パス上の作業に資源を追加して、作業の進捗を早める手法です。例えば、メンバーの増員、外注、新しい装置の購入などです。ファスト・トラッキング(Fast-tracking)とは、クリティカル・パスを分析し、ネットワークを組み替えることです。例えば、直列作業を並列的にする。作業を分割する。リードを利用するなどです。クラッシングとファスト・トラッキングは手法としては別ですが、同時に使うことが大半です。手法を理解していないと無限の対策から方法を考えます。無駄な話し合いが続きます。短縮時の注意点は、短縮した結果、別の経路が新たなクリティカル・パスになることが有ります。
要員負荷の調整 : ガント・チャートのスケジュールが、役割分担表で割り当てられた要員で作業が可能かを確認します。プロジェクト・メンバーの作業負荷を確認して、負荷がばらついていないか、特定の個人に負荷が集中していないかを確認します。メンバーの作業負荷を把握するための方法として「ガント・チャート上のスケジュールにメンバーの担当をプロットする」「作業上の個人の予測される仕事量(作業時間)を計算する」があります。負荷が大きい要員がいれば、作業負荷を平準化します。作業負荷を平準化する主な方法は、「担当を他のメンバーに変える」「要員を増やす」「外注する」「作業の依存関係を組み直す」「作業を延長する」などがあります。日本人は責任感が強いのか、頑張って仕事を抱えこむ傾向があります。その結果、作業負荷の大きい人が、予定通り作業を進められなくてプロジェクトが遅れる。無理な予定が組まれていてプロジェクトが破綻するなどが起きます。
