BtoBセールスの原理原則22 「F.継続活動(Follow)」- F2 お客様への活動計画」

F.継続活動(Follow)」は、契約していただいたお客様に対して、維持拡大のフェーズです。。「F.継続活動(Follow)」の下位のレベル2は、「F1.契約後の活動」と「F2.お客様への活動計画」と「F3.お客様情報の記録」の3つに分けました。「F2 お客様への活動計画」の下位のレベル3は、「F2.1 お客様訪問計画の立案」と「F2.2 売り上げ拡大策の検討」の2つに分けました。

・F2.1 お客様訪問計画の立案 : 営業パーソンが訪問活動にかけられる時間は限りがあります。その中で当面の売り上げが見込めるお客様に対して営業活動時間の大部分がどうしても振り向けられてしまうのは仕方がない側面もあります。そのためすぐに売り上げが見込めないお客様に対しては疎遠になりがちです。限られた営業活動の時間の中で、お客様に「売りっぱなし」と思われないように、そして継続的な売り上げが可能になるような効果的な訪問活動を計画します。計画の内容は次のようになります。①お客様をグループ分けする。縦軸に「売り上げの高い、低い」お客様、横軸を時間軸にして「今期の対象、来期以降の対象」に分けます。売り上げの金額が高くて今期対象の契約の可能性が高いお客様は、優先順位が高くなりますます。それ以外のお客様に対しても、お客様の要望や取引の重要度などに応じて訪問計画を事前に決めておきます。マーケティングのPPM(プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント)分析では、多角化企業の自社の事業の選択と集中を、縦軸に「市場成長率」を横軸に「市場シェア率」の2軸で各事業を、金のなる木、花形、問題児、負け犬にプロットして検討します。その考え方を、お客様別にプロットして優先順位を判断する方法です。②フォロー活動の内容を決めます。優先順位の高いお客様には継続的な訪問を行います。月に最低何回は訪問するなどお客様ごとに訪問回数を計画します。直接訪問しないお客様へのフォロー方法も決めておきます。電話やZOOMでの連絡などの頻度を決めます。このような活動は、サポートスタッフが受け持つこともできます。近年は、インサイドセールスとして、お客様への対応を役割分担している企業もあります。いずれもお客様に役に立つ情報提供を心がけます。主なものは次のものがあります。①商品やサービスの使用状況の情報。②自社の新製品でお客様の役に立つ情報。③新しい技術の情報。④お客様の市場環境の情報。⑤お客様のビジネスに役立つような情報。⑥セミナーやウェビナーの案内などです。

・F2.2 売り上げ拡大策の検討 : お客様と取引関係が出来たということは、信頼関係も構築されたということです。その関係を維持しつつ、有効に次の商談につなげていくことを検討します。マーケティングでは、アップセルとクロスセルが代表的な手法です。アップセルとは、お客様の購買単価を向上させるための営業手法の一つで、現在ある商品を検討しているお客様や以前商品を購入したお客様に対し、少し単価の高い上位モデルを勧めることです。例えば、バーガーシップでは、グレードの上のハンバーグも用意してキャンペーンしています。クロスセルとはある商品の購入を検討しているお客様に対し、別の商品もセットで購入してもらうことです。例えば、ハンバーグと一緒に、フライドポテトやドリンクを勧めます。似たような考え方ですが方法論として次のものがあります、①既存のお客様に対して、他部署への同一の商品の販売拡大を検討します。さらに追加の販売が可能できないか検討します。例えば、お客様の他の部署や出先などでも同じ課題がある可能性が高いですから、同じ提案が有効な先はないか探します。お客様内での事例の水平展開になります。② 既存のお客様に対して、他の商品の販売を検討します。自社の他の商品が、取引ができたお客様に提案できる商品やサービスがないかを検討します。お客様の別の課題に対して、自社で提案できるものはないか検討します。 お客様への別の商品の拡販になります。③同業他社に対して、同じ商品の販売を検討します。同じ業種なら同じ問題を抱えている可能性が高いです。商道徳上問題がなければ、同じ提案が他社に対しても有効かどうかを検討します。お客様に以外への事例の水平展開になります。④お客様に降り引き先を紹介してもらいます。新規開拓は、営業活動の難易度が一番高くなりますが、お客様に紹介してもらうことにより、最初の段階での営業パーソンと会社に対する警戒心は弱くなります。他のお客様を紹介してもらえないか依頼してみます。営業パーソンが信頼されていることが前提です。紹介による新規お客様への拡大になります。
お客様から、お客様のお客様を紹介してもらうことは有効な営業活動です。紹介をしてもらうためには、取引に満足しており、会社と営業パーソンが信頼されていることが前提です。紹介していただいたら、お礼とともに経過や結果の報告は必ず行います。紹介されたまま報告もしないのはお客様に対して失礼です。いずれの方法においても、人脈を有効活用することができれば最初の訪問がスムーズに行えます。お客様が応援してくれるような関係が築けたら新規のお客様開発が楽になります。継続的にお客様の満足度が高く、信頼関係が維持されていることが必要です。
営業活動に限らず、人脈の大切さは成功哲学などの多くの書籍でも書かれています。人の活動は人を介して行われるのですから、どのような人と知り合えるかが大切なことは言うまでもありません。そのためにお客様に紹介をもらったり、いろいろな会合に出たりして人脈を広げる活動を熱心に行う人もいます。保険のトップセールスの方の本を読むと、必ず人脈の大切さが書いてあります。自分のお客様の中の優良な(大手の)お客様の、人脈交流会を頻繁に開いています。知らない人同士で人脈を築くことは難しいです。そのため、お互いのビジネスに役立ちそうなお客様同士や、知り合いになれば何か生まれそうな人を集めて懇親会を実施しています。その場では、保険の話は一切しません。それでも、お互い大人ですから。口に出さなくても気持ちは察します。もし保険を相談するときがあれば、当然、そうした保険の営業パーソンに相談します。前にいた研修会社は、テーマを決めて「異業種交流会」を実施していました。色々な会社の人事の方々に集まっていただき人脈と情報交換の場を作っていました。好評でした。

人脈を築くことは、ビジネスにとっては大切ですが、しかし気になる1点あります。人脈を広げようとする行動のベースには「自分のメリットのある人と知り合いたい」という気持ちが当然強くあります。分かりやすく表現すると「人を利用する」ということです。ですから、その気持ちの強い人は、自分のメリットになると思う人には、熱心に接触しますが、そうでない人には見向きもしなくなります。これは自己中心的で、自分の利益しか考えていない考え方です。そのような気持ちは、結局、相手にも見透かされます。人のために利用されてあげようなどと考えてくれる人はいません。結局、人間関係が悪くなって疎遠になってしまいます。
私が前に学んだ講師の福島正信さん(私が勝手に、メンターだと思っていて、毎日送られてくるメルマガに励まされています)は、「本当の人脈とは、自分が相手の為に何か力になれることができる人を探すこと。」と言っていました。支援するに値する人と知り合うことです。すぐに利益となって帰ってこないかもしれませんが、いつかはお返しがあるかもしれません。これを「善意の貯金」と表現している人がいます。いつか利子がついて戻ってくるということです。人か成功するために周りの人が、支援して協力すれば、成功の確率は確実に高くなります。「成功者は群れをなす」という言葉があります。例えば、事業を成功させられる可能性が、1人の時は20%の人が5人いたとします。その場合、お互いに協力し合えば、5人とも100%になります。人に協力したとしても、自分の成功確率は減りません。ですから助け合える仲間がいれば、みんなで成功できます。
人から、親切にされたときには「恩」を感じます。その恩を、何らかの形でその人に返すことは「恩返し」です。恩を受けた人が、恩をかけてくれた人にお返しができない時は、恩を他の人に送って世の中にお返しようとする考え方を「恩送り」と言います。誰かから受けた恩を、直接その人に返すのではなく、別の人に送ることです。昔、観たアメリカ映画の「ペイ・フォアード」を思い出しました。詳細は忘れましたが、確か小学校の先生が、生徒たちに「世界を変える方法を考え、それを実行してみよう!」と提案して、1人の生徒が「1人の人が3人に何か善いことをします。善いことをされた3人が、他の3人に善いことをします。3人が9人に、9人が27人に、27人が81人に、81人が243人に…どんどん増えていって「善意の連鎖」が起きます。その結果、世界がよりよく変わります。」と考えて実行し、世界に広がっていくという内容でした。善意の鼠算です。感動した記憶は残っています。
バタフライ効果(butterfly effect)という概念があります。「ブラジルでの蝶の羽ばたきはテキサスでトルネードを引き起こすか?」という理論です。小さな変化が時間の経過とともに大きな変化になることを意味しています。自分が行った、たとえ小さなことでも、大きな変化を引き起こす可能性があるということです。「バタフライ効果」が自然現象で起きるかどうかの確信はありませんが、人間関係では確実に起きる確信はあります。

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