久しぶりに夢の話です。地球が誕生して、ようやく陸と海ができてきたころの風景です。岩と海だけの世界。いたる所で火山が爆発し、激しい雷と暴風が吹き荒れ、頻繁に隕石が衝突する世界です。40億年前ぐらいに、海の中に有機物のスープができそれが固まりだし、何かのきっかけで有機物の塊が自分の存在を自覚し意識が生まれました。「ある」と。
命の誕生のきっかけは、旧約聖書の創世記では「神が自分に似せて人間を作り、鼻から息を吹き込んで命を宿した」と書かれています。最初に聖書はヘブライ語で話されていたものを当時の公用語のギリシャ語で書かれました。それがラテン語になり英語に訳され、日本語に訳されたものを私たちは読んでいます。抽象的な概念の言葉は文化が違う場合は同じ意味に訳すのが難しいです。「息」のギリシャ語は「プシュケー」英語の「ブレスBreath」の語源です。「プシュケー」は「息」以外に「霊魂」や「気」の意味があります。人の誕生は「神が霊魂を吹き込んだ」と訳すこともできます。
意識を持った有機物のスープが分かれて固まりだした時に、2つの願い(欲望)を持ちました。最初に
① 自分の命を守りたい。・・・安全の欲求
次に、厳しい環境の中で、常に命を喪失する危険から、
② 命を継続したい。・・・保存の欲求
その欲求からスープは、身を守るための膜を持ち単細胞生物となり、命を継続するために細胞分裂を行い自分の複製を作り始めました。
全ての生物は、細胞の「命を守りたい」と「命を継続したい」の2種類の単純な欲望の集合体です。PCのデータの単位にテラバイトがあります。1テラは約1兆バイトです。1バイトは8ビットです。通常1バイトはデータの最小単位を表します。人の細胞の数は60兆個と言われています。1細胞の欲望を1バイトと考えた場合、人は60テラバイトの細胞の欲望の集合体です。PCのデータ量から考えても高度な情報を保持できます。60兆個の欲望を伝達するのが神経でコントロールするのが発達した脳の役割になります。人の欲望の形態が多種多様なのは当然といえます。
人が一生懸命に勉強するのも、懸命に働いてお金持ちになりたがるのも、立派な家に住みたがるのも「自分の命を守りたい」からです。良い車に乗りたがるのも、偉くなりたがるのも、大名が大奥を独裁者がハーレムを築くのも「自分の命を継続したい」からです。
人の多くの行動や発言は2つの欲望を満たすためです。多くの財産や権力を持つことは「安全と保存」の可能性を高めると同時に、持つがゆえに失うことの恐れを強烈に持つことになります。持つがゆえに心の平和を失います。権力者が何かにおびえているように見えるのも、幸せそうに見えないのもそのためです。「あらゆる世界史的は、良かれ悪しかれ、すべての人種の自己保存本能の表現である」とは、アドルフ・ヒトラーの言葉です。
2つの欲望は種の保存のためには必要ですが、そろそろ欲望のステージを上げる時が来ているのかもしれません。
