事業創出の原理原則22 終わりに

ここまで、新規事業を計画するときのマーケティングの考え方をまとめました。最初に故野村克也監督の「勝ちに不思議の勝ちあり。負けに不思議の負けなし。」と書きました。このメソッドで計画すれば必ず成功するわけではありませんが、少なくともこのフレームワークで考えている計画を当てはめた時に、欠けている項目があれば、満たしていた方が成功率は高くなると思います。項目が欠けたまま事業をスタートすると、修正や失敗する可能性が高くなると考えています。
 前職の複写機メーカーでは、ほんの一時だけ「社内新規事業募集」が行われていました。新しいことを考えるのは好きな性分でしたので応募しました。当時はまだPCもインターネットもない時代でしたが、その当時は先進的な会社でしたので、社内の製品マニュアルや社内教育や会社案内などをいち早くビデオ化したり仕組みを作ったりしていました。当時としては、クオリティは高かったと思います。それをアウトソースする事業を提案しました。残念ながら採用されませんでしたが、もし事業化していたらきっと技術の進歩により、ビデオからCDやDVDへ、そしてインターネット・コンテンツに変わっていったと思います。どんな事業展開になったか考えることはあります、会社を辞めて独立した時には、将来的には、国をまたがった人材の募集や応募のシステムを作りたかったですが、私の能力不足で頓挫しました。「アイデアと思い」だけではビジネスができないことを学びました。
 今でもビジネス番組で新しい事業を取り上げているのを見るのが好きです。一般消費者向けのお店は、もっと他業種とコラボ(コラボレーション collaborationは、共に働く、協力する意味。「共演」・「合作」・「共同作業」・「利的協力」)してビジネスをすれば面白いものができるのにと思うことが有ります。すでにいくつか行われていますが、例えば、「お花屋さん、美容院、本屋さん、コインランドリー、画廊」と「カフェやレストランやオフィスやイベントホール」。「居酒屋さん」と「カプセルホテル」「お肉屋さん、お魚屋さん」などまだまだ出てきそうです。コンビニは「お菓子屋さんと文房具屋さんとお弁当屋さん」の合体ですし、大手のドラックストアーは「薬局とスーパーと調剤薬局」の合体です。番組で、京都のお寺の上にホテルを作るコラボ事業を見て革新的なアイデアだと思いました。
Amazonのジェフ・ベゾスは、「インターネット」と「配送業」と「決済システム」のインフラを利用して、事業を構築したと言っています。まだまだ「フラットフォーム・ビジネス」が隆盛します。Amazonは、最初は本のフラットフォームです。などまだまだ多くのフラットフォームが出てきます。フラットフォーム・ビジネスのキードライバーは「簡単、便利、無料(もしくは低価格)」と「社会課題の解決」です。日本は規制が多いですが「医療」分野は有望です。日本でいくら規制してもインターネットは国境を簡単に越えます。
 もし今もっと若くて、システムに強くて能力があればやってみたいフラットフォームは、日本の中小企業の工場の、製品や技術を世界に紹介して売り込むプラットフォームを作りたいです。優れた技術があっても、中小企業の工場は世界に売り込むノウハウもスキルもありません。そこをお手伝い出来たら楽しそうです。現在は日本の中小企業の工場は系列の親会社や大企業の下請けに甘んじています。現在はファブレスの時代です。世界中の企業の下請けになることはできるはずです。円安もむしろチャンスです。市場開拓や営業や契約や決済ができるプラットフォームがあれば、社会の役に立てそうです。どうやったら出来るか分かりませんが、もし実行するなら、まずはどこかの商社で働かしてもらって勉強してノウハウを吸収してから、システムに強い人と一緒に起業したいです。想像すること妄想することには制約がありませんから、楽しんで考えています。
近い未来を想像するだけでもワクワクします。ドローンが宅急便を届けてくれます。自動運転で人が車を運転する必要が無くなります。車が空を飛びます。車が水素エンジンになったときには、燃料は水かもしれません。IPS細胞で医療が大きく変わるはずです。病気組織はIPS細胞の移植による再生医療で治る病気も劇的に増えます。お医者様が診療結果から、AIで検索すれば、症状の原因や有効な薬や必要な処置の正解を出してくれます。誤診も減ります。AIと人がシームレスに融合して無限の知識と融合できます。VR (Virtual Realityの略で、「人工現実感」や「仮想現実」と訳されています) 技術で家にいるままで、リアルな感覚で世界中に旅行や会議や授業ができます。宇宙旅行も身近になるかもしれません。この先、どんな世界になっていくか、楽しみしかありません。私には能力も時間も不足しています。Z世代が、新しいビジネスと新しい日本を作ってくれると信じています。
 100年前の日本人が、100年後の日本を想像したとしたら、今のような日本は誰も想像できなかったはずです。今から100年後の日本を想像しても、きっと思いもよらない日本になっているはずです。SFの父と呼ばれるジュール・ヴェルヌ(1828年2月8日~1905年3月24日)が書いた「月世界旅行」や「海底2万里」などは現実になっています。「人間が想像できることは、人間が必ず実現できる」と言っています。どんな世界になっているのでしょうか?
世の中の変化が、ゆっくりしていた時代には、個人もビジネスもゆっくり変化すれば、時代に適合できました。現在そしてこの先の未来のように、世の中の変化が急速な時代には、個人もビジネスも急速に変化していかなければ、時代に取り残されます。世の中の変化は、まるで下りのエスカレーターのようです。立ったままでは下に向かっていきます。同じスピードで歩いていたら現状のままです。下りのスピードより、速く歩かなければ、上に向かって進めません。古い年代は、上に進む対応ができないかもしれませんが、Z世代は、前に進むしか選択肢はありません。それは無理してではなく、軽やかにこなしていくと思っています。

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