Z世代と言う言葉を頻繁に見聞きするようになりました。Z世代の明確な定義はないようですが、生まれながらにしてインターネットやスマホがあるデジタルネイティブで分かりやすく2000年以降に生まれた世代だと解釈しています。そうした環境で育った世代と、私のような若い時にパソコンすらなかった世代と比較したら、テクノロジーの理解は段違いです。Z世代はとても優秀な人が多く、新しい時代の担い手だと感じています。Z世代と比較して、古い世代はテクノロジーの知識では劣りますが、ではどのようなことで社会に役立てるかと言えば、「キャリアと失敗」の量です。ビジネスの世界を考えた時には、「業界の取引関係や経験や人脈」「失敗とリカバリィの経験」は、本やネットだけでは、実感として得ることができません。たぶん、上の世代がZ世代に伝えることはできるのは、技術的なことではなく、実務的なことだと感じています。たぶん恋愛でも、マニュアルだけの知識では、役立たないことが多いはずです。
古い世代は、PCやインターネットの進化とともに世界の変化を経験しました。競争環境も変化しています。私の子供のころの企業と人の競争相手は、企業は国内企業、人は国内の人材だけでした。昔は外国は遠く離れている存在でした。外国は憧れの場所でした。今は、グローバル化の流れやインターネットの発達で、国境の壁が低くなり、世界が狭くなりました。企業は、全世界の企業と競争しなければならなくなり、人も全世界の人との競争になっています。そして、この先、技術革新により、人の新たな競争相手しとして、「AI」が出現しています。Z世代は、世界中の人と競争するとともに「AI」とも競争しなければならなくなります。最終的には、すべての面で「AI」が人の能力を凌駕するときが来るかもしれませんが、当面は、簡単に「AI」で処理できるような定常業務は、どんどんとコンピューターに置き換わります。そのスピードは、たぶん多くの人の想像よりずっと早いと思います。自分の今の仕事を考えたときに、簡単に「AI」に置き換わる仕事だと思うなら、今から対策を考えておく必要があります。
ムーアの法則(Moore’s law)と言われている理論があります。ムーアの法則とは、インテル創業者の一人であるゴードン・ムーアが、1965年に論文上で述べた「半導体の集積率は18か月で2倍になる」という半導体業界の経験則です。ですから、半導体の性能は1年半で2倍になります。過去から約60年の進化が続いていますから、コンピーターの性能は、数兆倍になっています。DXやAIの流れは、これから指数関数的に加速度化されてきます。しかし、コンピーターが自発的に何か課題を考えて解決策を示してくれるわけではありません。課題を設定する役割は人間です。また、コンピーターが情報処理したアウトプットをどのように判断して、どのように行動していくかを決めるのも人間です。将来的には、コンピーターがどのように進化するかは想像できませんが、当面は、人の「考える力」と「創造力」が重要視されるはずです。
技術の進歩によって、従来の産業が衰退して、新しい産業が起きてくることは、歴史を見ても明らかです。就業人口は、大雑把ですが、「第一次産業」の農業水産業から、「第二次産業」の製造業へ、そして「第三次産業」の商業に移ってきました。次は「第四次産業」の知識集約産業と移行すると言われています。現在は「第四次産業革命」の時代です。革命とは、従来のエスタブリッシュメント(既存の体制や支配階級)が衰退して、新しい仕組みや新興勢力が台頭して来ます。Z世代と言われる、生まれたときから、インターネットとスマホがある人達が中心になる時代です。Z世代の力が発揮できるときです。Z世代にとっては、むしろ面白い時代のはずです。
この先、エンターティメントや娯楽産業は、大きな産業になると思っています。今でも、チェスや将棋は、コンピューターの方が優れていますが、コンピューター同士の戦いを見たいとは誰も思いません。スポーツも人間同士が戦うから面白いのです。近年、ユーチューバーやインフルエンサーが高額の収入を得るのもそういった流れの一環だと思っています。最近バラエティー番組が増えて、芸人さんが注目を集めるのもエンターテインメントが注目されているからです。高学歴の芸人さんも増えてきました。
コンピーターが進化していく中で、ビジネスで最後まで残る人が行う領域は、人と人とのコミュニケーションを必要とする職業、(営業、介護、保育など)や、アイデアや創造性が必要とされる仕事、リスクを取ってやる新しい活動だと言われています。「AI」がリスクを冒してまで新しいことをやるとは思えません。「AI」が自ら「何かをやりたい」と願望を持つことも当面はありません。「AI」の進歩で、仕事がなくなる。という論調の記事を読むことが有りますが、私は心配していません。個人としては大変な人はもちろん出てきますが、人類全体としては対応していくはずです。PCやインターネットが普及し始めたのは、せいぜい40年前ぐらいからです。PCはWin98で普及しました。それまでの世界はアナログの世界でしたが、デジタルの世界に変わりました。それでも世界は回っています。新しい職業ができて人は働いています。急速な変化でしたが、それでも日々の変化は少しずつ起きています。多くの人は対応できるはずです。グーグルだってAmazonだって、設立されてからせいぜい40年の歴史です。個人的には「AI」の進歩で、世界から「戦争と飢餓と貧困」が無くなることを期待しています。「AI」の日本語読みは「愛」ですから。
